あるワンマン経営の運送会社の社長が、偶発の交通事故で死んだ。本社の重役達は、大学院出の社長令嬢を「女社長」に仕立てるが・・・。
叶 順子氏・高松英郎氏・田宮二郎氏といった後の『黒』シリーズのメンバーに菅原謙二氏と、さらに後の『風速七十五米』の面々が出演した特撮スリラー映画である。
経営上の攻略や乗っ取り対策等の下りは、『黒』シリーズや現在の乗っ取り対策の闇事情に通じたものがある。
特撮は必要最小限だが、架空のダムは『ゴジラ対メガロ』と同様にオープンセットで撮られている。そのため、モノクロながらもリアル感がある。
若き日の田宮二郎氏も存在感があったが、与太者の中に無名時代の藤巻 潤(=公義)氏が出演している。しかも藤巻氏と組んだ『ザ・ガードマン』の中条静夫氏や夏木 章氏・早川雄三氏・星ひかる氏等といった昭和『ガメラ』シリーズの常連に加えて、東宝特撮路線の常連だった田崎 潤氏も貫禄たっぷりの存在だった。
台風の最中にダイナマイトを運ぶという『恐怖の報酬』風のスリルを加味させた旧・大映らしいダークなスリラー映画だが、古澤憲吾監督を育てた渡辺邦男監督の演出も丁寧でよい。また『少年探偵団』・『多羅尾伴内』シリーズ等を手がけた山田栄一氏の音楽も、重厚で聴き応えがある。
意外な発掘品だが、一見の価値がある作品だ。
【おまけ】
危険ですので飲酒運転はやめましょう。