内容紹介
1年にわたる参与観察をもとに,暴走族の多彩な「遊び」の体験内容と象徴的意味,マスメディアと織りなすドラマ化の実相を生き生きと呈示し,なぜ彼らは暴走するのかを,心理‐社会‐文化的視野から解明する。みずみずしい知性と感性が躍動する一冊。
出版社からのコメント
◆暴走族のエスノグラフィー◆ 1年にわたる参与観察をもとに,暴走族の多彩な「遊び」の体験内容と象徴的意味,マスメディアと織りなすドラマ化の実相を生き生きと呈示し,なぜ彼らは暴走するのかを,心理‐社会‐文化的視野から解明する。みずみずしい知性と感性が躍動する一冊。
抜粋
規模の拡大と並んで暴走族時代の重要な特徴となっているのは 、集団の組織化の進展とこれにともなう対立抗争の頻発である。集団の組織化は、四十七、八年ごろから東京を中心にした関東地方にはじまり、主としてツーリングを行うグループの中から、グループ名をもち、メンバーの印としてワッペンやステッカーを使用するものが出てきた。この中には、さらに、リーダーやサブリーダーなどの役割を設けるグループも出はじめ、集団としての体裁が整うようになるとともに、グループ間の縄張り争いや勢力争いにからむ対立抗争が激化してきたのである。四十九年一月に東名高速道路、海老名サービスエリアにおける「ヒットラー」と「アーリーキャッツ」の乱闘事件や、五十二年九月の「スペクター」と「極悪」による「大井埠頭事件」をはじめとする対立抗争事件は、はじめ関東地方を中心に発生していたが、その後全国各地に広がり、これと前後して各地で集団の組織化と数グループ単位でまとまった連合体の形成が進展していく。……中略……暴走族時代には、グループ間の抗争だけでなく、警察やマスコミとのコンフリクトも激化し、モーターサイクルギャング〓活動は、この時期に入ってほぼ完全に「非行集団あるいは「犯罪集団」としての烙印を押されたといえる。