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暴走する資本主義
 
 

暴走する資本主義 [単行本]

ロバート ライシュ , 雨宮 寛 , 今井 章子
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (27件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

私たちは「消費者」や「投資家」だけでいられるのではない。日々の生活の糧を得るために汗する「労働者」でもあり、そして、よりよき社会を作っていく責務を担う「市民」でもある。現在進行している超資本主義では、市民が労働者がないがしろにされ、民主主義が機能しなくなっていることが問題である。私たちは、この超資本主義のもたらす社会的な負の面を克服し、民主主義をより強いものにしていかなければならない。個別の企業をやり玉に上げるような運動で満足するのではなく、現在の資本主義のルールそのものを変えていく必要がある。そして「消費者としての私たち」、「投資家としての私たち」の利益が減ずることになろうとも、それを決断していかなければならない。その方法でしか、真の一歩を踏み出すことはできない。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ライシュ,ロバート・B.
1946年、ペンシルバニア州に生まれる。ハーバード大学教授、ブランダイス大学教授などを経て、現在カリフォルニア大学バークレー校教授。クリントン政権で労働長官を務める。『アメリカン・プロスペクト』の共同創立者兼編集者。『ニューヨーカー』『アトランティック・マンスリー』『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』『ウォールストリート・ジャーナル』などへの寄稿多数。2003年に経済・社会思想における先駆的業績によりバーツラフ・ハベル財団賞受賞。2008年5月『ウォールストリート・ジャーナル』紙で「最も影響力のある経営思想家20人」の1人に選ばれる

雨宮 寛
コーポレートシチズンシップ代表取締役。コロンビア大学ビジネススクール経営学修士およびハーバード大学ケネディ行政大学院行政修士。クレディ・スイスおよびモルガン・スタンレーにおいて資産運用商品の商品開発を担当。2006年コーポレートシチズンシップを創業。明治大学公共政策大学院兼任講師(CSR・社会起業論)。CFA協会認定証券アナリスト

今井 章子
コーポレートシチズンシップ取締役。ハーバード大学ケネディ行政大学院行政学修士。英文出版社にて外交評論誌の編集を担当。2005年7月ジョンズホプキンス大学ライシャワー東アジア研究所客員研究員、2006年1月東京大学法学政治学研究科客員研究員等を経て、現在、東京財団広報担当ディレクター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 379ページ
  • 出版社: 東洋経済新報社 (2008/6/13)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4492443517
  • ISBN-13: 978-4492443514
  • 発売日: 2008/6/13
  • 商品の寸法: 19.5 x 14 x 2.7 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (27件のカスタマーレビュー)
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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 佐倉ごるふ トップ1000レビュアー
形式:単行本
米国について解剖してますが、もちろん、訳者も語っているように、
これは、グローバル資本主義のことを意味しているので、程度の差こそ
あれ、ニューエコノミーに追随した日本の社会経済制度も、もちろん
本書で明らかにされる矛盾は当てはまるでしょう。

ただし、本書の枠組みである「民主主義や政治的意思決定をも侵食する
超資本主義」というフレークワークから言えば、日本の民主主義は
そもそも、文字通り、欧米型の民主主義ではないので、その辺は
勘案して再検証する必要はあるのでしょう。

しかし、大枠では、ライシュが用いている分析ツールはよく当てはまると
思われます。曰く、「黄金時代」のようなものは、おそらくは、そのまま
日本の高度経済成長期の企業や雇用、従業員、消費者たる我々(や両親の世代)
に当てはまる、今から見れば牧歌的工業化社会制度であるわけで、
その後段を引き継ぐ、何もかもが「創造的破壊」が巻き起こる、(企業に
とっては)果てしない競争と革新のプレッシャ、個人や家計にとっては、
失業や収入激減の恐怖におびえる暮らし、という、臨まない「激動の時代」を
迎えてしまったわけで、これは、まさしく今日の日本政治経済社会の姿です。

この課題を克服するための提言や企業とCSRで描かれている、主に
偽善的企業の社会貢献や、ワシントンや中国でも繰り広げられるロビー活動は
米国的にも読みとれますが、しかし、どの国でも同じような課題とも言えます。

つまり、超資本主義は世界資本主義でもあり、少なくとも、自由民主国家では
この怪物、暴走する資本主義によって、国民と経済と政治は、かなりねじれて
引き裂かれている。そういう意味では、ライシュの分析ツールと、彼のジャーナリズム
は、結構、強力です。前著『勝者の代償』とともに、グローバル資本主義暴走を
見事に描いた名著と言っていいのではないでしょうか。

なお、勝間氏のあとがきは不要。本文を読み終えて、ページをめくった
ときには、びっくりした。訳者のあとがきがよくできているので、
こっちはいらないでしょうに。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
以下は、この本を読んで、自分なりに感じた感想です。
誤って解釈している箇所が有るかもしれません。

我々は、消費者で有るのと同時に、労働者で有る。
消費者として我々が利益(高品質&低価格の商品/サービス)を要求すれば、
結果的に、労働者としての我々の処遇が悪くなる。
(低賃金労働、整理解雇、等が発生する。)
一方、労働者としての利益(労働環境改善)を要求すれば、
消費者としての我々が損をする。(消費者としての我々は損をしたく無いので、
他の企業の商品/サービスに流れ、コストを下げられない企業は淘汰される。)

従って、消費者としての我々の利益と、労働者としての我々の利益は、
どちらもとことん追求する事ができず、適当なところでバランスを取らざるを得ない。
これは、資本主義が抱えている本質的な弱点のような気がする。
(この「バランス取り」には、消費者の利益、労働者の利益の他に、
投資家(株主)の利益、企業の利益も関わってくる。)
筆者はこの「バランス取り」を、民主主義の下、政治に期待しているが、
今の日本の政治に(与党がどこであっても)そこまで期待するのは無理なような気がする。
私としては、企業による「バランス取り」に期待したいし、それが現実的だと思う。
もし、それでも「バランス取り」ができないので有れば、資本主義そのものが、
そろそろ限界に来ているのでは無いだろうか。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
今日、日本を含む先進国では、貧困問題・格差問題等の社会問題が尖鋭化しているが、なぜこのような状況に陥ったのかを示した本である。すなわち、1970年代以前の古き良き「民主的資本主義」に基づく大企業や政府による、寛容で真摯な社会が、いわゆる「グローバリズム」による競争圧力が企業に加わり続けることによって、より安価な製品・サービスを望む「消費者」とより企業の利益の拡大を望む「資本家」が圧倒的な力を持ち、企業で働き企業にとってはコストである「労働者」と社会を構成しより良い地域の環境を望む「市民」への配慮や寛容さが急速に失われたことで、貪欲で情け容赦のない社会が必然的な流れとして現れているのである。これを筆者は、民主主義とは相いれない「超資本主義(=Supercapitalism)」と呼んでいる。

論理的かつ本質をつき明確にその答えを示した深い考察である。その通りだとも思う。問題を矮小化し、政府の規制緩和、あるいは企業のグローバリズムに問題を押し付けた本は多々あるが、根本原因を民主主義の崩壊と捉えた本書は秀逸である。さらに言えば、本書が執筆された2007年当時は、グローバリズムも一般的な言葉でなく、リーマンショック以前に書かれたことを思うと、本当に素晴らしいと思う。

加えて、翻訳もストレスなしに読むことができ、訳者の力量も感じられる。おしむらくは、書名が「暴走する資本主義」とはちょっと違うと思われる点、超資本主義の処方箋について書かれた第6章についてあまり共感しない点と、すばらしい訳者のあとがきがある前に、なぜか勝間和代の不必要な推薦コメント文がある点である。これら点を割引いても、十二分に広く読まれるべき本と言える。
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