ヤクザや裏社会の取材では多く著書を持つ有名な溝口氏の新書だけあって一通り暴力団の概要を把握することができる。
内容は既に一般的に知られている事柄が多いものの、最近の社会の暴力団排除の動きを受けた苦しい現状が描かれているため、いい女を連れて高級車を乗り回すかつてのイメージは完全に払拭されるに違いない。
また、組の若い衆が問題を起こすと組長にまで、警察の手が及ぶ現状の姿はやや気の毒に思うものの、本書を一読すれば暴力団を恐れて脅しに屈するっような事はなくなるかもしれない。
こうした取り締まり強化が暴力団のマフィア化(実態がみえない非合法組織)を招かないか、といった点が危惧されるものの、暴力団排除の動きは当面続くと思われる。
元々任侠やヤクザ社会に興味を持っている人にとっては、暴力団の表面上の説明に終始している点が多く、物足りないと思うが一般に知られていない暴力団社会の概要把握には良書であると言える。