本では、警察からの暴力団情報の提供は「当該情報が、暴力団排除等の目的達成のために必要不可欠であり、かつ、警察からの情報提供によらなければ当該目的を達成することが困難な場合に行う」とされており、警察からの情報提供を受けることは最終手段であるという位置付けである、としている(167頁)。
しかし、まず、平成12年9月14日付の「暴力団排除等のための部外への情報提供について」(警察庁暴力団対策部長通達)は、平成23年12月22日付の同一名称の新通達により廃止されており、平成12年9月14日付通達は現時点では存在していない。
次に、平成23年12月22日付の新通達は、「当該情報が暴力団排除等の公益目的の達成のために必要であり、かつ、警察からの情報提供によらなければ当該目的を達成することが困難な場合に(暴力団員等の個人情報の提供)を行うとし、「事業者が、取引等の相手方が暴力団員、暴力団準構成員、元暴力団員、共生者、暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有する者等でないことを確認するなど条例上の義務を履行するために必要と認められる場合には、その義務の履行に必要な範囲で情報を提供するものとする」としている。
つまり、警察は、新通達で、事業者が条例上の義務を履行するために必要と認められる限度で情報の提供をするとして、従来の方針(不可欠の場合だけ情報提供をするという方針)を転換している。警察からの情報提供を受けるのは最終手段では、現時点ではなくなっている。
本には、重大な誤りがあるので、早急に改訂されるべきである。