21世紀を迎え、著者は、過剰になった人間性が自分たち自身をどこか遠く隔たったところへ追いやろうとしているのではないかとの危機感をもつ。人間は他の動物や植物や鉱物に比べて優位に立つものではない。逆に人間こそがこの世に存在する他のすべてに敬意を払わなくてはならない存在なのである、と。
本書のAからZまでの26の言葉を巡る旅で見いだすことができるのは、手のひらに握ったたった1個の石からも、自分の意識を無限大に広げることができるのだということ。自分の息にじっと集中すると、それは外の世界と自分をつなぐものとして自然と世界との出会いへと導いていってくれるということだ。
混沌の中にいたとエピローグで正直に告白している著者自身が、この旅でこの世のすべてのものにかけがえのない独自の美しさがあることに気づいたのである。まさにこの書がAであるArtから始まり、ZであるZenで終わることがそれを象徴している。その道程が26のエッセイとその心象風景ともいえる写真とで示されている。最初から順に読んでも、気の向くままにページを開いてみても、何かをそこに見いだすことができる美しい本である。(篠田なぎさ)
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19 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
じっくりかみ締めたい,
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レビュー対象商品: 暮らしのZen (単行本)
とりたてて、特別なことではない日常の食と平凡ではないと思われている世界アート、そして禅。それらをアルファベットという拘束の中で氏の考えを言葉でつむぎだした一冊。料理に関心のある人も、アートに関心のある人もじっくり読み込んでいくことで、新しい発見があるかも。装丁や写真ページにある英文の詩(言葉)もすばらしい。Teatimeの章の記述が興味深かった。
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