はっきり言って、私には面白くなかった。
著者の「館シリーズ」をリアルタイムで読んできた者にとって、これはある意味、裏切りといっても過言ではない。
読者が「館シリーズ」に期待するものは、なんといってもミステリである。
別に、本格ミステリでなければいけない、というわけではない。
幻想ミステリであろうが、ホラーミステリであろうが、要はミステリであれば、謎とその解決にいたるロジックがあるはずである。
さて、本作にそれがあるか?
それなりの謎とそれなりの解決はある。
しかし、それは読者が「館シリーズ」に期待する、いわゆる“ある一つの事実で、それまでの概念がひっくり返る”というものではない。
本書はホラー?ファンタジー?
何と言って良いのだろうか。
しかも、この長さで振り回されておいて、ラストがこれかよ!と言いたい。
近年になって「Another」を書いた著者だけに、これは残念である。
せっかく愛蔵版で購入したのに・・・・
そして、これに続くのが「びっくり館〜」というのも、なかなかに切ないものがある。
あと何作「館シリーズ」が書かれるのか分からないが、その終焉まで付き合う覚悟はある。
乗りかかった船、というやつだ。
だから、著者にはもっとハイテンションで、評論家諸氏の批評など気にせずに、本格テイストの濃い「館シリーズ」を書いて欲しい。
とりあえず、期待はしている。
そして、ここにひとりは、著者の館シリーズの刊行を待っているものがいる。