本書のタイトルを最初に見た時、「どこかで見たことのあるタイトルだな」という印象を持ちましたが、著者である谷口先生が数年前にブルーバックスで出した『暗黒宇宙の謎』というテーマ的には本書に近い宇宙の暗黒(ダークマターやダークエネルギーなど)についての解説をした書籍でした。全編モノクロ構成のブルーバックスとは異なり本書はカラー図版が多用されている事もあって、構成的に見れば宇宙科学に関する初心者の方でも読めるようになっています。
内容的には『暗黒宇宙の謎』において述べられていた宇宙のダークサイドに関連した事の他にビッグバンやインフレーション、宇宙の誕生という宇宙の歴史に関わる領域にも触れられている事もあって、宇宙論の入門書的な側面もあるように感じられました。また銀河の誕生に関する解説は谷口先生が手がけている分野だけに銀河が形成されていく歴史を面白く読ませる内容になっていました。個人的には星雲や様々な銀河、銀河団といった天体写真と合わせて宇宙の歴史や宇宙のダークサイドならびに銀河の歴史について手軽に読む事が出来る事は有用ではありますが、『暗黒宇宙の謎』で取り上げられていた宇宙の大部分の見えない領域の事や谷口先生の専門分野の銀河に関する事についてももっと掘り下げて説明・解説して欲しかったとも思われました。