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破綻の仕方は前作の比ではない。この作品自体が、ミステリ小説の無惨なバラバラ死体のようですらある。
作中の登場人物に、違う人間に違う殺され方で二度も死んでいるやつがいる。
今回の主人公は小説家である奈津川三郎で、作中にも創作に関する考察や内省が何度も出てくるので、こういう致命的な矛盾も、どちらかが現実でどちらかが三郎の虚構なのだと私は解釈したが、これは好意的な解釈で、もちろん文中に納得のいくような説明があるわけでもなく、舞城王太郎に好意的なスタンスを持っていない人にとっては噴飯物かもしれない。
特にラストに至!る部分は読んでいて怒り出す人がいるのではないだろうか(イラストは可愛いけど)。
この作品はいびつな舞城作品の中でも特にいびつに感じる。
奈津川家の物語に続編が用意されているのかどうかは知らないが、今回のこの作品は、次作が発表されることによって初めてその本質や価値が明らかにされるものなのではないかとか勝手に予想したりする。
ま、面白いからいいんだけど。
早く続きが読みたいなあ。次は一郎の一人称かな。
相変わらずのリズミカルで読ませる文体、スピード推理、魅力あふれる登場人物達。
内容は明らかな不整合部分があったりするが、おそらくそれも意図してのこと。
とにもかくにも、愛と下品と暴力に溢れた舞城ワールドが堪能できることは間違いない1冊。
とはいえ、思わず声を出して笑ってしまったり、思わずビクッとしてしまったり、胸が苦しくなったり、と五感に訴えてくるシーン満載で読者に対するサービス精神(?)はバッチリなのだ。
更に、前作と合わせて、三郎視点と四郎視点から同じ舞台設定・登場人物を描き分けることによって、奈津川ファミリーがこの作品世界の中で立体的になり三次元的になった。この作品世界に登場する魅力的に壊れた人物たちについて、もっと知りたい、という欲求を抱かせる。
今作の過激な暴力描写は残虐さを帯び陰鬱ですらある。前作ですら、18禁?と思ったが、しかし、考えてみれば、年齢の問題ではない。14歳であろうが、41歳であろうが、関係ない。関係ないがこの本は人を選ぶ。読んではいけない、あるいは、読ませたくない人というのが確実に存在する。
―この作品における暴力や破壊や残酷さというものが、"比喩"であり「真実を語る」ための"装置"なのだ、ということがきっちり分かる人以外にはお薦めできない。
副作用がこわくて薬が飲めるか!ぐらいの気持ちで、どうぞ。
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