詐欺を生業にして生きる兄弟。天性の詐欺師であり、妖艶な魅力を持つ姉の恵を調査する刑事神崎。
しかし、神崎は逆に恵に溺れていっていまう。詐欺師兄弟に人生を狂わされた神崎の追跡劇と、兄弟の哀切を描いたサスペンス。
馳氏はある意味、損な作家だと思う。不夜城や漂流街等、初期の突抜けたノワール作品の出来映えが凄すぎたために、後作は全てそれと比較を受けてしまって
なかなか高い評価ができない。
普通に読めるし面白いのだが、馳星周が書いた作品、として見ると本作は、不夜城と比べれば絵本みたいなレベルになってしまっている。
個人的には、夜光虫で台湾の殺し屋になってしまった野球選手のその後、等が読みたいのだが、最近の作品には、そこまでのド迫力が感じられない。
エウスカディ等も、凄く取材をしたんだろうな、と思うのだが、読後感がやっぱり薄い。
時間がかかってもいいので、あの痺れる様な作風を切に期待するものである。