前巻の王宮乗り込み事件より半年。七星城で従者として勤しむレティシアとレオンはそれなりに城の中に溶けこんでいます。
そこへキリアンの弟、第二王子のユーシスが七星城へと単身、押しかけて来る。そして売り言葉に買い言葉…と言うか、けっこう力業な流れでレティシアを「もらい受ける!」と連れて行ってしまいます。
キリアン暗殺の証拠を探そうとユーシスとともに行く事を選んだレティシアは観察眼鋭くユーシスの本心を見抜くのだけど…。
こんなふうに育って、こんな子で、こういう娘になってます、と言う具体的なエピソードは書かれていないので彼女の『色』が薄っぺらい。私としては、この『色』を掴みかねているため彼女にシンクロしずらくて。
心根が「正統派良い子」な分、いかにも作りものめいてしまうのが残念です。元々、設定と話の展開が自分にはストンと来ないために読み流してしまったのか、レティシアとキリアン、主役の二人はお互いのどこが心の琴線に触れたのかはっきり掴めていないのもあります。
ツンデレ王子の孤独の裏と、彼が彼として受け入れられた事で心情的に互いに一目惚れしたんだな、と思うのがしっくりくるかも。
そういう意味では、せっかくのラブも今のところ充分堪能出来ていません。場面はばっちり入ってるんだけど、根本がくすぶってしまったためラブ好きとして★が上がらない・・・。
ただ、前巻で魔剣イヴァが『白』の姫に関してキリアンに告げた事が利害の点で矛盾すると、収まりが悪かったのが今回キリアンがそこに気がついて伏線になったり、レティシアが突いた核心とかレオンの含みとか、ちゃんと組まれている作りは先を知りたいと思わせてくれました。
そしてやっぱりクラリッサ嬢がいいです。黒い暗殺犬やレオンに関する発言からこぼれるキリアン評やレティシアへの評価等、一本取られます。