香港の黒社会を舞台とした連作の完結編。
黒社会という闇に生きる者たちの夢と希望を色々な視点から描いてきたシリーズですが、そのラストに相応しい大掛かりな話となっています。
香港と中国大陸の確執や、アメリカ同時テロとの関係。
ブラッディ・デュークと呼ばれる血に染まるエリート警察官の心に棲む闇の本質は何か? そして、汚泥のようなヤクザな黒社会にあって、白い蓮の花のような不思議な『綺麗』なものを持つ、まだ幼いボスの城仔(センジャイ)と彼を支える幹部連。
復讐とか怨恨でもいいから生きる力を得るならそれでいいのだとの言葉にはうならずにはいられません。
わずか二冊のコミックスの中に、作者からのメッセージがぎゅうぎゅうに迸るまでに詰まっています。
いわゆるボーイズラブ(?)関連のコミックスに分類されているようですが、この作品は、いわゆるBLものの軽さやラブというものとは、明らかに異質です。
あくまでも『人間の生き様』を描いているとても読み応えのある物語です。
もっとも、服をぎっちり着込んでいても漂う色気にゾクリとするところは不思議です…。瞳や立ち姿にえもいわれぬ色気があるのです。本当に。