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暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)
 
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暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3) [文庫]

サイモン シン , Simon Singh , 青木 薫
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

当時最強を誇ったドイツ軍の暗号機はいかにして破られたのか。「戦争の世紀」が「情報の世紀」へと移り変わるなかで、数学者たちの攻防は続く。RSA暗号、PGP暗号、量子コンピュータ、量子暗号…。ネットや銀行を始め、知らずに我々の周囲に溢れる暗号技術の現在と未来、歴史の背後に秘められた人間ドラマを解き明かす傑作ノンフィクション。巻末に「史上最強の暗号」とその解答を収録。

登録情報

  • 文庫: 382ページ
  • 出版社: 新潮社 (2007/06)
  • ISBN-10: 4102159738
  • ISBN-13: 978-4102159736
  • 発売日: 2007/06
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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21 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 
 暗号の歴史を分かりやすく解説するだけでなく、ドラマチックに見せてくれる本書。
素因数分解という意味不明な(僕にとってですが)数学的テクニック(?)を初めて
現実に役立つ物として見せてくれた本書。必読!

 有名な「シーザー暗号」に始まり、第二次大戦中ドイツの暗号機エニグマを通り
現代のコンピューター通信に用いられるRSA暗号に至り、さらには次世代の暗号テクニック
(実際には既に使用されているかもしれないが)量子暗号まで。
本書の案内に従って読み進めてゆけば、僕のような数学のずぶの素人にも
(とりあえずは)暗号の歴史とそのテクノロジーを理解する事ができる。
しかも人間同士の、暗号制作者と、解読者との知恵比べのドラマは読み物としても上々の出来だ。

 
 この文庫本版の良さは、原書から約十年の月日が流れたため、
追補として現在(2007年)の暗号の現状を挙げてくれているところだろう。
 
 なんと、作者が量子コンピューターの登場を待たねば解読不能と断じた、
RSA暗号を用いた暗号システムDESが現在では解読可能といえるまでになっているのだ。
 素因数分解を利用したこの暗号方式は、地球上全てのコンピューターを稼働させても、
一つのメッセージを解読するまで千年かかると言われていた。

 十年の時間はコンピューターの速度を飛躍的に向上させてだけでなく、数学のルール上あり得ない
と言われていた素因数分解の近道を発見させるまでに至ったようだ。

 まったく、まったくもって人間同士の知恵比べには驚嘆させられる!

さて、本書には原著と同じ暗号例題が巻末に付録している。
文庫版で残念なのは、それらの懸賞付き十問がすでに破られている事だろうか・・・・。
しかし僕はと言えば、その知恵比べに参加どころか、
舌を巻いて見守り、尻尾を巻いて降参するしかない。
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By pragma
形式:文庫
ウェブ社会の恩恵は企業にとっても個人にとっても計り知れないものとなっている。それを可能にしているのは顧客と企業を結ぶ安全な通信手段である。そしてその通信手段の天守閣こそが暗号である。

上巻を通して語られているように暗号には国家の存亡に関わるほどの強い力と深い歴史がある。下巻のはじめにも暗号がいかに戦争の行方を左右したかということが鮮明に描かれている。かくも重要な暗号であるが、1960年代以前のものには大きな弱点があった。それは「鍵配送問題」である。

ある人が他の人に暗号を送る場合、暗号を送るだけでは正当な受信者はそれを復号できない。復号するには、「鍵」が必要で、それをある法則に従って暗号に当てはめ、解読することが必要となる。従って通信を成功されるには送信者は受信者に鍵を事前に知らせておく必要がある。

この鍵を知らせるためには、それを直接持っていく、または第三者に委託するなどの方法があるが、いずれも盗み見られたり奪われたりする危険性を免れない。この機密性の不完全さが問題の一つである。さらに、戦争などの場面を考えると、コストが問題になってくる。それは、軍隊への通信を可能にするには各部隊に暗号復号用の鍵を知らせておかなければならず、鍵が変わる度に多くの部隊にそれを配送しなければならないからだ。実際、戦時中は鍵を配送するために多大な費用が掛かっていたという記録がある。また、ウェブ社会では相手が不特定多数になるため、一々配ったりすることもできず、この問題は大きな障害となる。

この「鍵配送問題」は長い間、解決できないものだとされてきた。しかしながら、これはある数学的知見により見事に解決されることとなる。それは、一方向関数という概念(を応用したもの)で、ある一定の状況に限って復元可能な(=双方向な)関数になるというものだ。これにより、暗号化には公開鍵(文字通り広く公開されていて問題ないもの)を使って一方向関数にいれ、それを相手に送り、受信者は個人鍵(自分で決められる)という一方向関数を唯一逆転できるものを使って復号する。これは個人鍵さえ機密にされていれば暗号の送受信は成功することを意味している。ここで重要なのはどちらの鍵も「配送」というプロセスを得ていないということである。

この鍵配送問題は下巻で最も力点が置かれる部分であるといえる。なるほど思わず唸ってしまうような知恵が、平明な文章で記述されており、筆者・訳者の力量に脱帽である。

また、暗号の強力さに関して、ある一定以下に保とうとする国家と暗号推進者の攻防も実に興味深い。暗号が強力になることは国家がそれを解読できないことでありテロリスト達の暗躍に拍車をかけることになる。これは国家にとって大きな脅威となる。一方で、ウェブに代表されるように暗号は私たち一般市民のプライバシーを守るためにも欠かせない。現状では企業の後押しなどもあって後者が勝っているが、いつ(どこかの)国家が暗号に制限をかけてもおかしくない状況だという。このことは、暗号技術は国家をも揺るがすものだということを改めて示している。
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形式:文庫
宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)」、「宇宙創成〈下〉 (新潮文庫)」に引き続き、上下巻、読みました。

上巻では、カエサルシフトなどの初歩的な暗号の誕生と解読に始まり、
暗号機エニグマの登場、戦時における国家間の暗号にまつわる謀略等が
ドラマティックに描かれている。

下巻では、コンピュータの普及によって、国や軍隊、
一部の大企業のみならず、一般市民が情報の秘匿性へ関心を高め、
プライバシーを獲得していく様子が描かれている。

そして、最強の暗号と言われる量子暗号への期待や不安を、
ストーリーの結びとしている。

上下巻ともに、詳細な調査に基づき描かれている物語で非常に興味深く、面白かった。

特に、下巻に出てくる、素数、素因数分解の性質を用いた一方向性関数と、
それによるRSA暗号の仕組みは、驚愕でした。

公開鍵と秘密鍵の役割やその暗号化の意味を初めて理解した気がしました。。。
システム関係者の読み物としてもオススメできます。
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