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暗い抱擁 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
 
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暗い抱擁 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) [文庫]

アガサ・クリスティー , 中村 妙子
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

気高い美女イザベラには婚約者がいた。が、冷酷ともいえる野心家ゲイブリエルに荒々しく抱擁されて彼女は悟った。この心の歪んだ男を救わねばならないと。やがて彼女は婚約者を捨て、ゲイブリエルとの駆け落ちを決心する…男のために新たな道を歩き始めた女の姿をキリスト教的博愛をテーマに描く至上の愛の小説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

クリスティー,アガサ
1890年、保養地として有名なイギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚し、1920年には長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。1926年には謎の失踪を遂げる。様々な臆測が飛び交うが、10日後に発見された。1928年にアーチボルドと離婚し、1930年に考古学者のマックス・マローワンに出会い、嵐のようなロマンスののち結婚した。1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。現在も全世界の読者に愛読されており、その功績をたたえて大英帝国勲章が授与されている

中村 妙子
東京大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 376ページ
  • 出版社: 早川書房 (2004/6/14)
  • ISBN-10: 4151300864
  • ISBN-13: 978-4151300868
  • 発売日: 2004/6/14
  • 商品の寸法: 15.7 x 10.7 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
15 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ttk
形式:文庫
クリスティの長編はすべて読破したと自負していた私ですが、こんな恋愛小説があったとは知りませんでした。もう、素晴らしいとしかいいようがないです。あらすじを書いてしまうとおもしろみがなくなってしまうと思うのであえて何も書きませんが、絶対お勧めします。一人の女を心から愛してしまったために全く変わってしまった男の人生を、その女を愛していた別の男の視点から描いた作品です。あとがきに書かれているとおり、最初の「つかみ」が絶妙すぎる。それに引っ張られて最後のページまで一気に読んでしまいました。最後の数ページでは思わず涙が出てしまったほど。多分何回も読み返すことになりそうな深みのある作品です。
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13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
人の心の何と計りがたいことか。そして、人の心の真相が、見る人によって様々に違って見えることの不思議さ、不可解さ。本書を読み終えて、まずそう思いました。
殺人事件などが起きる訳ではありませんが、人の心はミステリといった意味合いで言えば、『春にして君を離れ』同様、何とも味わい深く、強烈なミステリです。

事故によって、身動きがままならなくなった男性、ヒュー・ノリーズ。彼が、コーンウォールの町で過ごした時に出会った人たちの行動や言動を、傍観者の立場から書き記していった第二次大戦下での記録。その記録の中から、ジョン・ゲイブリエルという男と、ファム・ファタル(運命の女)の役割を担うひとりの女性の姿が、生き生きと眼前に描き出されていきます。
なぜ、その時、そういう行動をとったのか? 本人にも定かでない、しかし、そうせざるを得なかった心の不可解さ、計りがたさが、ヒュー・ノリーズの記録を通して、読者の前に提示されます。この辺のクリスティーの筆致の精妙さ、おぼろげだったものが徐々に形を整えてくるプロットの力強さは、実に読みごたえがあるなあと唸らされました。

ラスト一行に込められた意味深さ、その衝撃も、かなりのものがありました。結構くるものがありましたね、このラスト一行は。

クリスティーが、メアリ・ウェストマコット名義で発表した1947年の小説。
原題は、The Rose and the Yew Tree 「薔薇とイチイの木」。

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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 拓庵
形式:文庫
「春にして君を離れ」に続いて、読み終わった。第一印象は、この本のテーマは、すごく深くて難しいということだった。
「人は、人をどれだけ理解しているのか、どこまで理解できるのか」という深淵なテーマが横たわっている。

「春にして君を離れ」の、「自分は自分をどれだけ知っているのか、理解しているのか」というテーマと対をなす作品として書かれたのかも知れない。

この物語の語り手であるヒュー・ノリーズが語る、ゲイブリエルという男性とイザベラという女性。話の大部分は、ノリーズによって淡々と語られ、最後のゲイブリエルの2回の語りの中で、物語は一気の結末を迎える。と同時に、読み手は再び導入部のプレリュードに戻らざるを得ない。

ノリーズの語りが淡々としすぎていて、結末までたどり着くのが危うくなりかけた。この作品は、最後まで読んで、初めて、価値がわかる作品であることは強調しておきたい。

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