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解説が長めなので(有益な情報も多いが)、作品自体は140ページほどのものであり、後半の、男には入り込めない、ある意味濃密な世界を描き出すことに“筆力”を込めたと思しきあたりを別とすると、全体にあっさりとしたタッチの作品だが、根っからの悪人も、読んでいてどうしても耐えがたくなるほどの不幸も登場しない――そんなところに作者の、少女たちへ託した想いのようなものが感じられる。かつて、こうした小説が、どれだけ多くの少女たちのこころを慰めていたのか、といったことに思いをはせてみると、感慨もまた深い。
なお、底本とした印刷物にある記述を尊重したためか、一部、明らかに文の一部が抜けている箇所や、てにをはの用い方が違っている部分なども見受けられたが、そのあ!たりは今後、研究が進むに従い、さらに改善されて行くものと信じたい。ノーブルな印象を与える、中原淳一によるカバーや本文中の絵も、実に魅惑的。
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