内容紹介
今号の特集テーマは「イノベーション行動科学」。近年イノベーションは、企業や国家にとって世界共通の重要課題と位置づけられている。2007年11月、国際大学GLOCOMに「イノベーション行動科学」プロジェクトが誕生した。経営学や経済学という既存のイノベーション研究の枠組みを超えて、「イノベーションを起こす‘行動’」に着目した新たな研究領域の立ち上げである。 本特集では、この1年半に渡るユニークな研究プロジェクトの活動内容を、(1)社会イノベーション、(2)ビジネスイノベーション、(3)イノベーション行動科学研究、の3つの観点から紹介する。「はじめに:なぜ、イノベーション行動か」(砂田薫・井上明人)で研究の位置づけを、「巻頭論文:イノベーション行動科学-序論」(野村恭彦)で問題意識と研究の意義を論じた。そして、(1)では、社会起業家を研究する服部篤子インタビュー「社会起業家から学ぼう~個人の視点、社会的価値の認識から「市場を創る」~、同氏が主催するプラカデミアサロンの模様を掲載。(2)では、自らリクルートなどでビジネスプロデューサーとしての経験を持つ秋山進インタビュー、「ビジネスプロデューサーとは何か~「逸脱」から生まれるイノベーション~」などを収録。(3)では、「イノベーション行動科学を考える六つの視点」(菊地史彦・松原 和之)として、消費社会論、ネットワーク組織論、認知科学、脳科学、ナラティブ研究、人材マネジメント論の専門家を招いた研究のフォーラム内容を報告している。 特集以外では、IECP研究会報告として、「クラウド・コンピューティングと情報処理のパラダイムシフト」(講師:前川 徹」、「オンライン上のブランド保護の課題」(講師:ヘザー・ホプキンズ」の講演内容を紹介している。