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楽しく読んでいるうちに、図書館の利用の仕方やマナーがすっかり判る、お得な1冊。
司書の想いにも触れてください。
主人公のしおりは、本を愛する女の子。
時間があれば図書館にかよって本を選びます。
その市立図書館を中心に、さまざまな人間模様が描かれています。
図書館で一人さまよいお母さんを探している幼い女の子。
まだひらがなを読めるかどうかの年齢なのに、
彼女が「あ、わたしの本」といってはなさない本。
その『魔女たちの静かな夜』というタイトルの本に隠された謎は?
そしてその女の子の事情は?
60年も前に図書館から借りたという本を抱えて悩むしおりのクラスメイト。
返却ポストにはずぶぬれの本が入れられ、その本の間には一輪のツユクサが……。
図書館で起こる静かな事件が少しずつ解決されていきます。
安らぎや怒り、心配や感動、
人の理不尽さにふれる嘆き、人の優しさに触れる喜び。
さまざまな感情で埋め尽くされた図書館は、
いつも静かに、みんなが成長していくのを眺めています。
作中作の中の一節が忘れられません。
【言葉はわたしたちの、剣であり、盾であり、食事であり、恋人である。
言葉は時に、剣を防ぎ、盾を壊し、食事を隠し、恋人を奪う。
あなたが言葉の海に漕ぎ出すときには、言葉は船にもなるだろう。
あなたが言葉の空に飛び出すときには、言葉は羽にもなるだろう。
そして、いつかあなたが新しい世界に旅出つなら、
言葉の川をことばの橋で渡り、
言葉でつくられた扉を、言葉の鍵で開けるだろう】
美味しそうなお食事やハーブティが登場して美味しそうな香りも漂い、
さらに優しいタッチの挿絵が想像力を膨らませます。
この本を書いた作者に、心より感謝します。
そして、少しでも多くの人にこの本を読んでもらって、普通に利用しているだけではなかなか判らない司書の想いに触れて欲しいと思います。図書館を気持ちよく利用してもらいたい、大勢の人に訪れてもらいたい、そのために司書は働いているんだよ、ということ。
これから大人になる人たちにも、すでに大人の人たちにも。
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