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11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「景気」とは何かを始めて学ぶには絶好の1冊! 入門書ながら奥は深い。,
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レビュー対象商品: 景気ってなんだろう (ちくまプリマー新書) (新書)
日本は「失われた10年」という長期停滞にあり、ようやくここ数年「景気回復」を経験していた。しかし最近のエコノミストたちの予測では、すでに日本は不況局面に嵌っており、政府もようやくその事実を渋々認めた。サブプライム危機やこれから起るであろう世界不況に先んじて、日本はすでに景気悪化を経験しているのである。それが世界不況によってよくなることはありえず、一段の悪化が今後予測される。だが日本の「景気回復」でさえ実感できるものではなかったのではないか? 「経済格差」(都市と地方、大企業と中小企業、そして正社員と非正社員との所得格差)は深刻になってきたといわれ、そして「景気がいい」といわれている業種や企業で働いていた人たちでさえ、「自分の懐はそんなに暖かいのだろうか、むしろ石油や食料品の高騰でますます生活が苦しくなっているだけだ」と思っていただろう。 もちろん「景気が悪い」といわれている業種や企業、そして非正社員の人たちはさらに深刻だろう。なんでこんな実感のない「景気回復」が起きてしまったのだろうか。そして実感のないままいまや日本は不況に陥り、それがさらに今回の世界不況で深まるかもしれない。だがどれだけ悪化するのかだろうか? 不安は尽きない。 このように日本の景気をめぐる問題は、今日の経済問題の多くを覆うものであろう。そして上記したすべての疑問に、本書は答えを提起することに成功している。 世界不況はどのくらい日本に影響するのか そのわかりやすい解説と鋭利な分析は、最近出版された経済ものの新書の中では出色の成果である。しかも読者自身が、手計算でも(もちろんエクセルや計算機を使えばより容易に)景気の今後の動向を数値として知る手法まで紹介している。本書の付論に収録された「イワタ流景気動向指数の見方」がそれである。イワタ式は内閣府がホームページ上で公表しているコンポジット・インデックス(CI)という景気動向指数を用いたものである。 このCIには景気の動きに先行すると考えられる先行系列、景気の動きと一致する一致系列、さらに景気の動きに遅れて反応する遅行系列がある。CIは景気の強弱を定量的に計測しようというもので、いわば景気の勢い(景気拡張や景気後退の度合い)を伝えるものである。例えば今後、世界不況がどのくらい日本経済を悪化させるのか、その度合いを知るのにちょうどいい指数だ。 著者はこのCIの先行系列の6カ月前・対比年率を景気予測で重視しているという。確かに本書の説明をみると、CIの予測精度は高い。このイワタ流の景気予測を用いると、日本経済は〈〇六年一〇月頃から、景気は踊り場状態にあったが、〇七年一一月頃、あるいは、遅くとも〇八年三月には景気後退に入った〉と判断できる。 これは重要な指摘だ。なぜなら本書の予測(僕はそれを全面的に支持する)をもとにすれば、日本の景気後退は、海外の要因(サブプライム問題の顕在化は昨年の夏である)に先行して、日本独自の要因によってもたらされたと思われるからだ。この日本独自の要因とは何か? その答も本書には用意されている。
12 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
マクロ経済の見方を養う入門書,
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レビュー対象商品: 景気ってなんだろう (ちくまプリマー新書) (新書)
マクロ経済学の視点で経済を見る目を養うのに適した一般向けの入門書です。20ページほどにまとまった「わかりやすい話」7本に序章と付論を添えて、連作短編のようにまとめられています。ですます体の語り口調で書かれており、比較的短時間で読み通せるでしょう。細切れの知識を提供することに主眼を置いた本ではないので、一連の文章の展開に重きが置かれ、図解はほとんどありません。また事実の提示から論を起こす本でもないため、主張の裏付けとなる事実を示すグラフの数も絞り込まれています。キーワードはゴチック体で強調されているものの、索引はありません。 本書は通読して理解を深める読み方に最適化されており、つまみ食いをしたり、後で調べ物に役立つようには書かれていません。どちらかといえば漠然とした「景気」への興味を満たす本といえます。以下、本書の内容を簡単にご紹介しますので、知りたいことが書かれているかどうかの参考にしてください。 序章:マクロの景気とは国内総生産の変化である。 第1章:景気変動の最大要因は設備投資である。 第2章:最近の景気・金利・価格・外需の動向などに基づく将来の予想が設備投資を決める。 第3章:海外の経済成長と日本の輸出増(=設備投資増)には相関がある 第4章:海外直接投資の増加により企業の業績と実質賃金は直結しなくなった。 第5章:資産価格の低下は(バブルから正常への復帰でも)設備投資を減らす。 第6章:主な需要不足対策は財政支出:需要補填、減税:消費促進、金融政策:設備環境整備。 第7章:需要超過による過度のインフレは景気を悪化させるため金融政策で需要を抑制する。 付論:著者流の景気動向指数の見方を紹介。
5つ星のうち 5.0
日本におけるマクロ経済の状況把握の本,
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レビュー対象商品: 景気ってなんだろう (ちくまプリマー新書) (新書)
以下の、おおよそ押さえるべき点が新書で収められている。景気とは何か。企業の設備投資の重要性。外需頼みの日本経済における、海外の景気と為替と日本経済との連動性。GDPと賃金の連動性。デフレが不況を伴う理由。財政政策と金融政策。インフレ目標政策の有効性と、OECD加盟国で例外的な金融政策を運営する日本銀行。などなど。 新書ということで本の値段も安く、コストパフォーマンスも高いという優れた良書。この本から著者が巻末で薦めている本を読み進んでいくのもいいと思う。あるいは王道のスティグリッツ、マンキュー、クルーグマンの教科書に進んでいくのもいいと思う。
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