景教の関係の本は、今までもたくさんでておりましたが、最近のものとしては、堅実な入門書だと思いました。新聞に掲載されていたものを元にしているので、一項目一項目は非常に読みやすい内容でした。
著者には、大秦景教流行中国碑の翻訳もあり、また、いくつもの景教関係の基本的文献の翻訳にも力を入れていて、景教の研究者としてはありがたいものがあります。とくに、一般に言われている、景教イコールネストリウス派という概念を変えてくださったのは、ありがたいと思いました。中東から中国、そしてあるいは日本に伝わっていたかも知れないキリスト教があったということは、キリスト教という宗教の認識を変えるものだと思っています。またシルクロードを越えて伝えられたものがある、という壮大なロマンの入口でもあります。
ただ一言、いまでも景教徒の子孫であるアッシリア使徒伝承教会の人々もネストリウスには敬意を抱いている事実は見逃してはいけないと思います。