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45 人中、42人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
着眼点は素晴らしいが、調査協力者に対して無礼千万甚だしい。,
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レビュー対象商品: 普通の家族がいちばん怖い―崩壊するお正月、暴走するクリスマス (新潮文庫) (文庫)
着眼点は素晴らしいし、アンケートとインタビューから「本音」がうまく引き出されていて調査協力者の発言内容にも大いに興味が持てる。膨大なデータを19万以上のコード化を施し定量集積処理がなされている努力にも敬意を払いたい。だが、この調査は2回に渡る合計445人調査協力者がマメに日記につけ、食卓や家族の姿をカメラにおさめ、自由記述式の調査に協力を惜しまなかったからこそ実現したものである。しかし著者は、その貴重な「本音」を「〜などというのだ」「〜と当然のことのように言う」という表現を用いて、協力者のコメントをことごとく嘲るように引用している。自らの調査への協力者に対し、無礼千万であると感じた。子どもの顔にモザイクをかけた写真を掲載し、辛らつなコメントをつけたものもある。成長した子どもたちが本書を手に取った時のことを思うと心が痛む。 興味深い調査内容にも関わらず、調査結果と考察が最初から混ぜこぜになっている上に、その考察には嘲笑が渦巻いている。p.31の世帯年収グラフによれば、ちょうど半数の調査協力者の世帯年収が600万円以上1,000万円未満であり、1000万円以上の世帯は18.4% 、全体の35%以上の世帯年収が800万円以上となっている。このような協力者は、どのようにして選ばれたのか、募集方法、条件がまったく明記されていないのでは、「普通の家族」とするには無理があると感じた。
17 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
賛否両論甚だしいが、うまいリポートだ,
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レビュー対象商品: 普通の家族がいちばん怖い―崩壊するお正月、暴走するクリスマス (新潮文庫) (文庫)
2007年に出た単行本に若干手を加えたらしい調査リポート。この文庫を読む前に、原著に対する40本近いレビューを通読したが、賛否両論かまびすしく、大いに期待が高まって一気に読み終えた。結論的に言えば、評価できるのは「丹念な定性的調査に挑戦」「1955年生まれを境にした世代論を採用」「筆致・スタンスにぐらつきがない」など。逆に、留保をつけたく思ったのが「サンプル数が少なく、調査対象の居住地も限定(首都圏)」「インタビューの引用で判断先行的とおぼしき箇所を散見」「記述に主観的なところがあり、重複も多い」など。家族がバラバラになり、しかも「私本位」が優先される傾向は、著者が指摘するまでもなく、ある程度諒解できる「高度成長期以降の日本人」の趨勢。それを正月とクリスマスの過ごし方に絞って論述する、という一点突破型のユニークなリポートだととりあえず受け止めた。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
普通の家族より怖い広告代理店,
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レビュー対象商品: 普通の家族がいちばん怖い―崩壊するお正月、暴走するクリスマス (新潮文庫) (文庫)
著者は本書の前書きで、「クリスマスや正月のさまざまなこと(注:要するに家事・準備等の事)は『主婦』や『母親』や『女性』がすべきことだと考えているからでもなく(中略)、(彼女らに)起因することだと考えているわけでもない。」と一応断ってはいる。しかし本文をみれば、正月支度を面倒くさがる主婦に対しては「恥ずかしさや後ろめたさはまったくみられない」と書き、煮しめを作らないと言う主婦の発言には「当然のことのように言う」と驚いて見せる。他にも「『恥』の感覚はない」とか「自分の事は棚に上げて」など、調査協力者の言動を特定の価値観を持って高みから見下すような表現には事欠かない。それでも文庫版の後書きでは、自分は保守主義者でもなんでもなく、この本も伝統を守らないことを戒めたものではない、と言い切っているところを見ると、筆者自身が本書の末尾で触れている最近の主婦の一傾向=「言っていることとしていることの食い違いに気づかない人」の典型例のようにも思える。 著者は広告代理店勤務だそうだが、本書では何故か「メディア情報に軽やかに乗ったり流されたりすること」には否定的だ。そうしてみると、アサツーディーケイという会社は片や人々に対して新たなライフスタイルとやらを吹き込んでそれに乗っかり利益を得ながら、一方で本書ではそうした人々を揶揄する言説を振りまいていることになる。後書きにあるように「ユニークな会社」「懐の深い経営者」と持ち上げて済ますことができる話ではなく、どのような姿勢で社会に向き合っているのか、会社としての経営姿勢が根本から問われかねない。そういえば後書きでは延々と自ら属す組織やその長らを持ち上げ続けながら、肝心の調査協力者への謝辞が一言もない。御節やクリスマス飾りがどうのこうのという以前の、著者の人間性を垣間見たように思う。それなりの謝礼を支払えば何を言っても言わなくてもいい、ということなのだろうか。 最期に、本書では5年のインターバルをおいて2回の調査を行いその傾向に顕著な差があったことの原因として、データを示すことなく1955年生まれが分水嶺であると推論しているが、その社会学的うらづけは一切提示されない。著者が1953年生まれであることがその推論の裏にあるとするのは邪推が過ぎるといわれそうだな。
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