ロマンティックな正統派2枚目スターのロバート・レッドフォードの初監督作品は以外にも地味な家庭劇で、この作品で彼はアカデミー賞の監督賞を受賞しています。
話の内容は、長男をヨットの事故で亡くした家族3人の物語で、次男(ティモシーハットン)は長男の死に対する自責の念から逃れられず精神的のバランスを失いかけている。父親(ドナルド・サダーランド)は平凡なサラリーマンで、次男が気になるが接し方がわからず悩む、母親(メアリー・タイラー・ムーア)は溺愛していた長男の死から立ち直れず次男に冷たく当たってしまう一方で、社交的で世間体を気にすることは忘れない。
冒頭の朝食の場面で、食欲がないと訴える次男の食べ物をサッと捨ててしまう母親と、その冷たさにとまどう父親。この有名なシーンにこの映画の登場人物である家族3人の関係が見事に表現されていた。回想で出てくる長男の死以外には大きな事件もなく、淡々とした描写で見事に家族の崩壊していく様子を描いている。
この家族を演じる俳優達の演技が素晴らしい。アカデミー賞受賞のティモシー・ハットンはもちろんのこと、母親を演じるメアリー・タイラー・ムーアも一歩間違えれば観客に反感のみを抱かせてしまうような人物を見事に演じきり、次男に抱きしめられた後の戸惑いの後姿も見事であった。また次男の精神科医を演じるジャード・ハッシュも名演だった。しかし最大の驚きはドナルド・サザーランドであろう。「マッシュ」「赤い影」「1900年」「カサノバ」とエキセントリックな役柄を演じてきた彼の抑えた演技の素晴らしさは、同じアメリカの中流家庭の崩壊を描いた「アメリカン・ビューティー」のケビン・スペイシーも足元に及ばないほどだった。