書評(朝日新聞)に「普通の家に工夫こらす楽しさ」とあるのにとても興味を引かれ、購入しました。読者に語りかけるような魅力的な文章力、随所にあるユーモアと温かみのある絶妙なスケッチについ引き込まれて、あっという間に読み終えてしまいました。忘れていた懐かしいものに出会ったような、ほっと心が癒されるような、そんな余韻に浸る事ができました。中村好文さんは「小屋」に憧れた少年の日の夢(誰にも物置小屋や屋根裏部屋に心躍らせた記憶があるでしょう)にこだわり続け、「小屋」のもつ居心地のいいイメージを、実際の住宅建築にまで取り入れてしまうところが凄い。日頃、自分の住まいについて、こうすればもっと暮らしよくなるのになあ、でも無理だろうな、と漠然と思っていることを、さあこんな風にできるんだよ、と家具まで手作りして、遊び心いっぱいに、眼前に差し出してくれているようです。自分の住まい方を見直したり、もし建築家に家を頼むとしたら、どんな風に頼めばいいのかというヒントがたくさん潜んでいるような本です。