まな板、包丁から始まって主な台所道具の種類や選び方、使い方などの説明がある。これが第一に実用的である。たとえばまな板の材料にも檜、銀杏、柳、朴など種類があり、それぞれに特長があるなんて、わたしは知らなかった。
「作り手を訪ねる」というページがある。実際にその道具がどのように作られているのか、使い方のコツなどを作り手に語ってもらう。普段は気にも留めないが、このような記事に触れると、道具に対する興味や愛着が湧いてくる。
その道具が歴史的にいつごろから使われるようになったのか、私たちの生活にどのように浸透してきたのか、とった記事がある。これは食という観点から日本の文化史をたどるもので、大変に興味深い。
料理のレシピも割と充実している。それだけを期待して購入しても、期待外れに終わることはない。
ちょっとレトロ風のイラストが効いている。色使いが綺麗でわかりやすい。定規やスクリーントーンを使わない筆致が、手作りの「料理」というものによく合っている。
地味だが、中身のある本だ。