惑星ケルノトからの脱出に失敗したグッキーと闇のスペシャリスト12人の救出作戦と旗艦《ソル》に迫る未曾有の危機とマスクの男アラスカの奇妙な冒険行を描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第373巻。本巻の執筆者は人気抜群のエーヴェルスとフォルツです。本書の目玉は何と言っても宇宙一の漫才コンビ、チベット人ミュータントのダライモク・ロルヴィクと火星人タッチャー・ア・ハイヌの復活でしょう。この所厳しくシビアな話ばかりで笑いが不足していましたが、エーヴェルスが溜まった物を吐き出す様に一気に解消してくれました。
『次元航法師の復讐』H.G.エーヴェルス著:百数年振りに深層催眠から覚醒されたア・ハイヌ大尉が上官のロルヴィクと共に惑星ケルノトから闇のスペシャリスト12人とグッキーを救出する作戦に出撃した。本編ではロルヴィクが「火星ミイラ」他無尽蔵に思える表現でタッチャーを罵れば、タッチャーはタクヴォリアンが時間を遅らせている間にポットでロルヴィクの禿頭を思いっ切り殴って憂さ晴らしする往年の名場面が復活します。『時間超越』ウィリアム・フォルツ著:オルウとプィら闇のスペシャリスト達12人は《ソル》に別れを告げ旅立つと宣言する。やがて彼らは艦内に小さなブラックホールを現出させテラナーを恐怖に陥れる。本編では後半マスクの男アラスカと久々に登場した人形使いカリブソの姿を借りた謎の知性体との邂逅が恐るべき未来のヴィジョンを明かします。本編のラストの犬を連れて荒野を彷徨う異人と言えば・・・・そう!記憶に新しい映画「アイ・アム・レジェンド」の1シーンを思い出しました。
本巻の翻訳者、五十嵐洋氏のあとがきは恒例の376巻から20話分の仮タイトル紹介です。人類のアフィリー化だけでは終わらない新たな災厄に見舞われたテラの運命は一体どうなるのか?ますます予測不能となるストーリーに次巻が待ち切れません。