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鬼才と呼ぶにたるSF作家バリントン・J・ベイリーの代表作。
はじめの物語の舞台は未来の地球、白人種による圧倒的な軍事支配と苛烈な人種差別にあえいでいる小さな世界です。なんでも、その昔、異星人の襲来によって地球上の文明の遺産がことごとく滅したらしいのです。それから暗黒の四世紀が過ぎ、異星人が姿を消したのち、文明再興。それだけ聞くと、めずらしくない設定だと思われる方も多いでしょうね。
でも、ここに荒廃した異星人の遺跡を発掘する研究者たちがいます。物語は彼らのあいだからはじまります。というのも、彼らが今発掘している遺跡を写した古い写真が、あまりに奇異だったのです。なんとそこに写っていたのは、現在よりもはるかに古びた遺跡だったのです。三百年も前に撮られた写真なのに、なぜ今より荒廃が進んでいるのか――まさか遺跡がどんどん新しくなっている?
次の舞台は地球からへだたった宇宙空間。そこは生産系社会と娯楽系社会とが峻別された奇妙な世界です。暮らすのはすべて中華系の人々。その隔絶した社会のはざまに、ひとりの青年がいたたまれない面もちで立っていて、やがて歩き出し――複数の世界は、ついにまみえるわけです。
こうなってくると、単なる時間SFとは言えないかもしれないですね。
時間理論はむずかしいのですが、あまり静的ではなく、時間線の交差など、たいへんスリリングな展開の連続で、まあ、大変な時間SFなのでした。
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