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12 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
唯一無二の時間論SF,
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レビュー対象商品: 時間衝突 (創元推理文庫) (文庫)
唯一無二の時間論が展開する独創的な時間SF。そもそも時間とは一つしかないのか、ひょっとしたら時間は二つあるかもしれない。 と、この作品を読むまでそんなことは考えたこともなかったが、この作品では二つ存在するのである。 SFには、矛盾しない時間SFというものが存在するが、ひょっとしたらこれもひとつの矛盾しない時間SFなのかもしれない。 時間論が好きなら、考える価値のある作品。 そして、これを読まなければ思いつくわけもない時間論の作品。 ベイリーが生命といっているところを意識と置きかえれば、本当かもしれないと思える(ような気もする)しっかりとした時間SFである。 鬼才と呼ぶにたるSF作家バリントン・J・ベイリーの代表作。
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
本来の SF の姿,
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レビュー対象商品: 時間衝突 (創元推理文庫) (文庫)
最近、事実に固執しすぎた科学空想小説を SF としているものがあるが、この小説はこれらとは一線を画する。本作は 1973 年の原著初版だが、その時点でこの作品の内容は全くの著者のアイディアが生み出した架空のものである。もちろん、相対性理論などはすでに知られてはいたが、作品中の「時間衝突」の基礎となる理論は全くの空想である。本来 SF とは科学を題材にした「空想/夢想」であり、そのため著者の発想こそが最も重要なものであると思っている(もちろん、後世に SF で描かれた事象が実現/証明されることもあるが)。その点で、この作品は真の SF だ。ベイリーのぶっ飛び加減には驚かされた。それでいて、彼の作り出した理論の中では、ほとんどの理論が矛盾がなく完結しているところにも力量を見せつけられた。ところで、支配種が白人で異系亜種が有色系、恒星間生命が中国人なのは意味があるのだろうか?。翻訳についてだが、多少物理学用語のわかりにくいところもみられたが、小説として非常にうまく訳してあるようだ。その点が、邦文で読む本書の面白さを引き出していると思う。この小説は理論物理学者には訳しにくいだろう(なにせ、根本の理論が矛盾しているので)。個人的には「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」に次ぐ SF だと感じた。
16 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
交差する時間と世界と,
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レビュー対象商品: 時間衝突 (創元推理文庫) (文庫)
これは大変な時間SFです。時間理論について書かれたところはむずかしいのですが、この作品に登場する複数の世界はなかなかおもしろいのです。はじめの物語の舞台は未来の地球、白人種による圧倒的な軍事支配と苛烈な人種差別にあえいでいる小さな世界です。なんでも、その昔、異星人の襲来によって地球上の文明の遺産がことごとく滅したらしいのです。それから暗黒の四世紀が過ぎ、異星人が姿を消したのち、文明再興。それだけ聞くと、めずらしくない設定だと思われる方も多いでしょうね。 でも、ここに荒廃した異星人の遺跡を発掘する研究者たちがいます。物語は彼らのあいだからはじまります。というのも、彼らが今発掘している遺跡を写した古い写真が、あまりに奇異だったのです。なんとそこに写っていたのは、現在よりもはるかに古びた遺跡だったのです。三百年も前に撮られた写真なのに、なぜ今より荒廃が進んでいるのか――まさか遺跡がどんどん新しくなっている? こうなってくると、単なる時間SFとは言えないかもしれないですね。
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