根っからの文科系の方は、あまり楽しめないかもしれません。反面、高校程度の物理学を理解し、相対性理論を少しでもかじっている人には、この上ない名作に感じられるでしょう。
スケールの大きさには圧倒されてしまいます。その延長上で、宇宙の本質も語られます。ポール・アンダースンの「アーヴァタール」では、ビッグバン直後の揺籃期の宇宙の描写が出てきますが、この作品では終焉(あるいは再生前夜)を迎えた宇宙を見せてくれます。
その宇宙の終焉を描いた最終第16章は、特に味わって読むべきでしょう。
ハードSFではありますが、人間くさい描写もあります。主人公とその父親のバーチャル・コピーとの軽妙なやり取りでは、なかなかいい味を出しています。