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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
3部作の第1編/物語の先行きが楽しみな長編SF,
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レビュー対象商品: 時間封鎖〈下〉 (創元SF文庫) (文庫)
地球を包み込んだ大きな界面の外側では1億倍の速度で時間が流れ、やがて太陽が巨星化して地球を飲み込んでしまう危機が迫ってくる…。実にSF的で奇抜な設定の妙もさることながら、3人の幼なじみタイラー、ダイアン、そしてジェイスンの30年にわたる人間関係が丹念に織り込まれていく様子に魅かれます。それぞれが地球滅亡にひた走る世界の中で、後悔と慚愧(ざんき)の念に苦悶する。それぞれが目指すところを心に強く抱きながらも、ままならぬ人生を惑いながら生きる。そんな3人の姿が確かな現実感を伴って読む者の前に立ち現れるのです。 「しっかりしなさい。世界は驚きで溢れているのよ。生まれたときから、人間は自分のなかに他人を抱えているものだし、その他人をちゃんと紹介してくれる人なんか、どこにもいないの」(323頁) この言葉が心に添うほど、登場人物たちが多面的な自己を時にもてあましぎみである局面を見せます。こうした、生きることに迷う人間が描きこまれた物語を読み進めるにつけ、SFを読んでいることをときに忘れてしまうほどです。 一方で、この書を読了しても、SF的ストーリー展開は中途で終わった印象を残します。 「訳者あとがき」によれば、それはこれが作者ロバート・チャールズ・ウィルスンの中では「Axis」「Vortex」へと引き継がれる3部作の第1編に相当する物語だからです。 界面の持つ本来の目的とは。そして界面を創った仮定体の正体とは。 謎はまだ提示されたばかり。幸い「Axis」は「無限記憶 (創元SF文庫)」として同じ翻訳家によって訳出されたところです。 まずは第2編へと読書のコマを進めたいと思います。
5つ星のうち 4.0
医師の物語,
By ひで - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 時間封鎖〈下〉 (創元SF文庫) (文庫)
上巻の表紙の絵は「地球」でした。下巻の表紙の絵は「火星」です。火星人類のワンは国連本部で演説をし、その存在は公にされ、その後ワンは不慮の銃弾に倒れ死亡してしまいます(152頁)。そしてワンの意志により四機のロケットが打ち上げられ、(157頁)人造生命体レプリケーターは太陽系の外縁部で繁殖し広がる(287頁)。下巻後半では、火星や火星人類は期待に違い出てきません。主人公の医師タイラーと病人(二卵性双生ジェイスン・ダイアンのお幼馴染)との関わりの物語である。タイラーはジェイスンに火星の(寿命延命処置の)薬を注射し難病を快癒させ、その後タイラーは民間宇宙機関を辞めて開業医になる(162頁)。タイラーは、新興宗教の仲間三家族と農場で暮らしているダイアン夫妻と久しぶりに会うが(135頁)、数年後、夫から妻ダイアンが病気だと知らせを受ける。農場に向かい、死にかけている彼女を救出し北米大陸を連れて車で横断、実家を目指すが、実家に戻るとジェイスンは、空のスピン膜が消える一週間前から実家に戻っていて、病気で臥せっている。結局ジェイスンは亡くなってしまうのだが。以上の人間模様に所所現在と思われる主人公ダイラーがダイアンと共にインドネシアにおり、逃亡を目論んでいるシーンが、西暦4×10の9乗年という題名で(101-112)、(185-195)、(304-308頁) 三回挿入される。残念なことは大陸横断中の「ダイアンは死ぬんだろうか?」(247頁)、「彼女はもうすぐ死ぬよ」(250頁)という台詞が、読者に響いて来ない。なぜなら、これら現在のシーンで火星の(寿命延命処置の)薬の注射で復活したダイアンが死なずにいるのを読者は既に知っているから。ダイアンは夫と離婚をしてタイラーと一緒になり、ダイアンの両親は亡くなる。そして、二人は船で「アーチウェイ」の向こうポート・マゼランへ逃避行をする。アーチウェイは、スピン膜の消えた七日間に突然インド洋沖に現れた巨大な建造物で、その向こうには、地球から何光年も離れた世界とつながっている。ところで300ページの「仮定体にとって、地球を、そして地球以前に登場した多くの文明を、進歩の頂点に置いたまま保存する方法がスピンだった。」はこの物語の鍵の言葉であろうか?仮定体って何?謎は残る!ポート・マゼランの先には何があるのか?続く「無限記憶」を次に読んでみようか。なお、それから、「あんたのナンバープレートには、医者のマークがついている」(232頁)、「羊膜が陰門から垂れ下がり、周囲の藁は血と粘液で」(233頁)、「車のドアから両脚を突き出したダイアンは、茶色がかった尿を少しだけ放出した。スポンジで拭ってやったあと、スーツケースからぼくの清潔なブリーフを出し、汚れたパンティと交換した」(253頁)、「ソニーのロゴがついていたらそれだ。すぐ下に、新品のメモリー・カードのパックがあると思うんだけれど」(281頁)といった記述に目が留まった。下巻は355頁。2006年ヒューゴー賞長編小説部門受賞作でした。
2 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
イーガンの『宇宙消失』以上!?,
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レビュー対象商品: 時間封鎖〈下〉 (創元SF文庫) (文庫)
設定自体はグレッグ・イーガンの『宇宙消失』に似てるけど、物語自体は、こっちのほうがいいかも!?人類の将来と主人公の恋愛。どっちも主要なテーマ。
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