本書は、ファンタジーやホラー、宇宙人モノなど
多彩な作品を執筆する著者による児童向きのSF作品。
妹を交通事故で失った主人公が
不思議な老人から手渡されたタイムマシンを使い
過去を変えようと奮闘する物語です。
主人公の妹や友人を思う気持ちもさることながら
運命を変えようとすることは、より大きな運命の一部なのか―?
というSF的、哲学的な疑問を抱きつつも
そこに拘泥することなく
自分の選択がよいものであることを願い、
信じようとする姿に強く心を打たれました。
また終盤、過去を変えようとした主人公は
大きな代償を支払うことになり
さらに、今後何十年もかかるであろう「義務」を負うことになります。
しかし、大きな悲劇と過去への旅を経験し大きく成長した彼からは、
それに耐られるであろう強さが感じ取ることができ、とても頼もしく感じます。
児童書の範疇にとどまらない重大な問いかけや
大切な教訓を与えてくれる本作
児童書というだけで敬遠することなく、
多くの方に読んでいただければ―と思います。