いよいよ20万年前の過去界へと遡りカピンの謎を探る旅に出たテラナー戦士の活躍を描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第219巻。本巻の執筆者は、新旧技巧派の両雄競演エーヴェルスとフォルツです。惑星ロトロンに駐在するカピン秘密警察長官オヴァロンは、黄金の紡錘を使って全ての時間旅行を妨害する、時間の守護者としての極秘任務も帯びていた。
『時間の守護者』H.G.エーヴェルス著:オヴァロンは突如警報をキャッチし、急遽秘密ステーションへと急行する。何者かが時間実験を企んでいるのだ!彼は未来から来たタイムマシンと遭遇し、攻撃を開始する。オヴァロンは躊躇せず銀河最強兵器SRS爆弾を敵に発射したが、何とタイムマシンはエネルギーのドームに包まれて無傷だった。『カピンの年に』ウィリアム・フォルツ著:ローダンはラス、アラスカ、イホ・トロトと共にオヴァロンに未来界から来た事情を打明ける。アトランはゼロ時間デフォルメーターを始動させて更に3千年前の過去界へと一旦逃れた。ローダンら四人は制御ステーションに連行され、ケンタウルス・ミュータントのタクヴォリアンの監視下に置かれる。
カピン社会の複雑な敵対関係が浮き彫りになって来て全体の把握に時間が掛かりますが、魅力的なカピンの女性科学者メルセイレがオヴァロンの味方として印象的です。タクヴォリアンはラスの体に自動破壊装置をつけてローダンらの動きを封じる鋭さを見せます。故松谷健二氏のあとがきは、丹沢登山行のお話です。十一歳年下の若者ではない友人と十時に登り始めました。友人が誰かに「このごろはやりの中高年登山ですか」と冷やかされた話をして「頭に来た」「馬鹿やろ」と二人でぼやきながらも、決して馬鹿に出来ない山と悟りながら休憩を入れて七時間の行程に満足されました。そして、その晩の内に帰れたのだから便利になったものよと感心されたとの事です。