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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
キューブリックはやりすぎたらしい,
By のじり (埼玉県春日部市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 時計じかけのオレンジ [DVD] (DVD)
いわずと知れた超傑作だから未見の方はすぐに見るべきだ。強烈な映像造形に圧倒され、時間一杯画面に釘付けになるのは間違いない。40年近く前の映画とは思えない過激な映画でもある。 (過激だとはいっても映像そのものについてはホラー映画のような残虐さがあるわけではないが…) が、見終わってどんなふうに思うかは個人差がありそうだ。まず、子供には勧められない。 (倫理観が定まっていない精神的な子供も含む。理由は下記) 非常に怖ろしい映画ともいえるし、人によってはかなりの嫌悪感を抱くだろう。 キューブリック特有の強烈な氷のように尖った描写は、この映画が一番激しい。 この映画を撮影する時キューブリックは同時代に隆盛だったニューシネマを意識したという。 だが、この映画は 《暴力を寓話の形で批判》 しているにもかかわらず、見る人間によっては表面だけを見て映画を取り違え、その結果暴力を誘うような面があった。 (誘発されえた暴力事件があったという。見る人間が精神的に中途半端であったり、理解が表面だけでとどまる場合、取り違えることもあるのだろう) このことは、『自身の家族までもがあの夜間襲撃のようなことの対象となるのでは…』とキューブリック自身を悩ませたという。 結果、イギリスではキューブリックの意向で公開後数年で見ることが出来なくなり、その後キューブリックが死去するまで上映もソフト化も許可されなかったそうだ。 (だからイギリスのファンは海賊版でしか見ることが出来なかった…。日本でもビデオ化は遅かったですね。) 私自身、初見 (18年ぐらい前ビデオで観た) のときアレックスの悪党ぶりの爽快さに目がいった。 『非道な行為を一つも後悔せずにつぎつぎに…。 気持ちよさそう…。』 で、そのあと 『自分のこの感想はマズイんじゃないか…』と思ったものだった。 この強烈さはキューブリックの映像作家としての凄まじさをあらわしているとは思うが、おそらくキューブリック自身としてはやりすぎてしまったのだろう。 だが、 だからといってこの超傑作の価値が変わるものではないし、未見の方はすぐに見るべきだ。
20 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
キューブリックの「映像作家」の力量が発揮された傑作,
レビュー対象商品: 時計じかけのオレンジ [DVD] (DVD)
凄まじいまでの暴力描写から、室内アートまで、完璧なまでの映像で語りかけるまさに「芸術」に昇華している映画。 とはいえ、暴力描写は今のB級映画のほうがよほど酷かったりするのに、 なぜゆえ、直接的な暴力描写は控えめなのに、この映画のほうが嫌悪感を覚えるのか。 それはキューブリックが人間の本質を見事に見抜いて、心理面でグサリとくる感覚を映像としているから。 だからこそ、「映像作家」としての力量がいかんなく発揮された傑作と呼んでよいでしょう。 同じテーマの作品を手がけることはなく、しかも作品全てが傑作、という かつてないほどの天才映画監督、スタンリー・キューブリックの最高傑作の一つであることは間違いないです。 2時間強があっという間の、まさに「トリップ」体験を味わえます。
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
“私はビディーった、新しい天と地を” ―ヨハネの黙示録 21章1節,
By
レビュー対象商品: 時計じかけのオレンジ [DVD] (DVD)
粗筋は4コマ漫画で説明できるほど単純。見所は、クールでポップな映像美。動きが妙にリアルなペニス・オブジェや、四角錐が沢山並んだ布団、乳首からミルクが出る彫刻etc、思わず欲しくなるグッズが続々登場。前作『2001年宇宙の旅』では、ヒトザルが動物の骨で獲物を殴り殺すことを想像し、道具の使用に目覚めるが、ルドビコ療法を受けたアレックスは、瞼をムリヤリ開かされての暴力映像の洪水に、吐き気を催す。知覚の変容という点で、スターゲートのパロディ?現実の暴力より、映画の暴力に苦痛を覚えるアレックスの倒錯が彼を、治療前は他人への暴力に駆り立て、治療後は他人からの暴力を甘受させる(「不思議なことに現実世界の色が本物らしいのはスクリーンの上でだけ」)。抑止効果としての暴力映像そのものが肉体的暴力だという皮肉。実験中、彼は涙を流している?いや、それはただの化学薬品。‘暴力衝動の反作用として善を志向する逆説’も、いつどちらに反転してもおかしくない。善を自ら選択する意志がどうのと語る宣教師も、聖書の描く恐怖の神罰を‘ビディー’った奴であり、アレックスと同じ穴のムジナ。ニーチェ曰く、聖書は「弱者の血に飢えた復讐心の産物」。神は最もウルトラ・バイオレンスな奴なのだ。小児的欲望への永劫回帰、ニーチェ的超人の戯画としてのアレックス。『2001年...』でボーマン船長がグラスを割る場面は肉体の儚さを感じさせたが、アレックスは真っ赤なワイン=血を飲まされている。 「SEXと暴力は最大の娯楽」(by.庵野秀明)。キューブリック作品も例外じゃあない。アレックスが聖書の暴力場面を想像する所なんて『スパルタカス』のセルフパロディっぽいし、「作曲者に罪は無いのに」なんて台詞には、『博士の異常な愛情』のラストを連想させられ、ニヤリ。本作最大の皮肉とは、この自滅的自己言及?
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