生命は、DNAを格納する核を持つ「真核生物」と、持たない「原核生物」に分けられる。数十億年前、真核生物の祖先は、大腸菌に似た原核生物を取り込み、一体化した。取り込んだ原核生物は、今では細胞内のミトコンドリアとして、エネルギー生産工場の役割を果たす。生命の合体は常に起き、現在も進行中である。著者は、こうしたプロセスがM&A(企業の合併・買収)とそっくりだと指摘する。M&Aは欧米の異質なビジネス手法ではなく、生き残りを賭けて競争する世界では、必ず生じる現象ととらえられる。
細胞は、時に意図的な死「アポトーシス」を起こす。生命が、一種の消去法であるアポトーシスを採用しているのは、その方が効率が良いためだと考えられている。ここから、著者は企業戦略を構築するうえでも、消去法の採用がコツになると分析する。
40億年進化してきた生命のダイナミズムが分かりやすく描かれ、人間社会や企業のあり方を考察するうえで、新しい視点と発想を提供する1冊だ。
(日経ビジネス 2005/10/03 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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