伝説のNHK少年ドラマ「タイムトラベラー」も、原田知世主演の大林版『時かけ』もリアルタイムで見て/観てきたオレとしては(ま、いずれにせよ当時はガキだったけど)、今回の細田監督による初のアニメ版『時かけ』にはそれなりに期待していながらも、観る前は心のどこかで「でも、どうかな?」と思い続けていた。けれど、いやー、やられました、すっかり。何年かぶりに、映画館で映画を観て泣いたもの。基本的にものすごいベタなことをやってたりするのに、それがとても新鮮に受け取れたのは、やはり細田監督の力量なんだろうと思う。
で、これはそんな、新たな傑作となった細田版『時かけ』のガイド本だけど、通り一遍の内容かと思っていると、あちこち―特に、細田監督をはじめとするスタッフへのインタビューや、美術設定を紹介するページなどが―さりげなく濃かったりして、意外にしっかりと制作された本であることが、読んでみるとよくわかる。淡い色の青空が描かれたシンプルなカバー、その外側に巻かれた大きいサイズの帯(貞本氏描く真琴のプロフィールをフィーチャー)、そしてカバーを外した内側表紙のデザイン(まんまノート。芸が細かい!)なども、本当にいい味出している。中ほどに配置されている、真琴の声を演じた仲里依紗―なか・りいさ―さんのグラフも、構成上のクッションとしてうまいこと機能しているように感じた。
この愛すべき映画に出逢えた2006年の夏を忘れないために、ぜひとも手もとに置いておきたい1冊。