著者によれば、その5年間は「日本人にとって戦後最もやりきれなかった時期」だという。日本の良き伝統や慣習がないがしろにされ、予想もつかない事態が一気に表面化した。しかし、そうした状況下だからこそ、著者の知る人物たちの行動や発言が際立ち、読者の生活や考え方にも良いヒントになるだろうという。
私信には、称賛や批判の対象として、著者自身と交友関係にある多彩な人物が登場する。特にパソナの南部靖之氏、京セラの稲盛和夫氏、アスキーの西和彦氏ら経済人に関するエピソードには、一般的なメディアの視点とは異なる、心の交流を重んじた著者ならではの励ましや忠告が表現されている。
また、若手の作家や芸術家らに対しては、少年が抱くような好奇心をそそぐ。著者の豊かな感性に触れることで「癒し」の効果も期待できそうだ。
(日経ビジネス1999/11/8号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.)
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