内容紹介
第二次世界大戦下ナチス・ドイツの捕虜収容所で作曲、初演されたメシアンの名曲《時の終わりへの四重奏曲》
黙示録的状況下でメシアンが受けた黙示録の啓示とは。
20世紀のフランスを代表する作曲家オリヴェエ・メシアンの(時の終わりへの四重奏曲)は音楽史、
政治史、文化史において、重要な位置を占めている。
本書は、(時の終わりへの四重奏曲)誕生をめぐるドキュメントである。
作曲・初演に至る経緯、音楽家たちの第八A捕虜収容所での体験、そのような環境への彼らの対応、
初演、彼らの生きた時代について、生存する関係者、遺族に直接取材して、作品が作曲された順序、初演のときの観客の数、
楽器の状態、作曲家が解放された経緯について、これまでの通説にある矛盾を解明する。
メシアンとこの名曲を取り巻く人びとの証言は、この作品ばかりか、
第二次世界大戦中の捕虜収容所についての認識さえも、変えてしまうだろう。
内容(「BOOK」データベースより)
20世紀のフランスを代表する作曲家メシアンの伝記は多く著されている。しかし、代表作「時の終わりへの四重奏曲」について書かれていたとしても、それは作曲法の歴史的考察でしかなく、さらなる理論的分析への序章にすぎない。四重奏曲の歴史に触れている著者の多くが二次的資料か作曲家自身の言葉を引用している。他の三人の演奏家やその家族への取材、歴史的初演についての証言、初演がおこなわれた第八A捕虜収容所に関する資料を検証したものは、ほとんど見られない。本書によって、「時の終わりへの四重奏曲」誕生の歴史は初めて記される。捕虜収容所での生活を描き、この作曲家とドイツ当局や仲間の音楽家たちとの関係、メシアンが語りたがらなかった収容所での体験などを調べた。初演を前後して、メシアンたちは幸運をつかんだが、それはこの四重奏曲の歴史のなかでもっとも興味をひかれるであろう。