「芥川賞を取るレベルの日本語ではない」という批判を聞いていたいので、どうかなと思いつつ読んだが立派なものだ。
変にくだけて、それを独創性だと勘違いしている昨今の作家に、見習ってもらいたいぐらいである。
中国的な匂いのする日本語である。
時に漢詩が入っていたりして、すごく新鮮だ。
「日本語を日本人のように使わなくてはいけない」という考えは、日本語の世界を狭くする。
日本人しか使わない言葉のままでいたら、日本語は衰退していくだろう。
言葉には絶えず新しい命を吹き込む必要がある。
日本語のアジア化を私は歓迎する。
作品自体は、ポストモダン化した日本人にはもう描けなくなった、瑞々しい青春小説である。
こういう小説は久し振りに読んだ。
懐かしいような泣きたいような気持ちになった。