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昭和精神史 戦後篇 (文春文庫)
 
 

昭和精神史 戦後篇 (文春文庫) [文庫]

桶谷 秀昭
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

あの事件を契機に昭和という時代は終わりを遂げた
昭和という時代はいつ終わったのか。東京裁判から三島由紀夫の死、昭和天皇崩御に至るまでの日本人の意識を鋭くえぐった渾身の力作

内容(「BOOK」データベースより)

昭和という時代はいつ終ったのか。異国軍隊の進駐と占領で始まった敗戦国日本の歴史を東京裁判、安保闘争、三島由紀夫事件、天皇崩御を通して克明に描く中で、昭和初頭から持続してきた精神の系譜が断絶した瞬間を解き明かす。前作『昭和精神史』を昭和21年8月で閉じた著者が、戦後を生きた日本人の心の歴史に迫った渾身の書。

登録情報

  • 文庫: 560ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2003/10/11)
  • ISBN-10: 4167242052
  • ISBN-13: 978-4167242053
  • 発売日: 2003/10/11
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 著者は前著『昭和精神史』について、どこかで「自分はこれを書くために生まれてきたのだ」と書いていたはずだが、ならばその続編たる本書は、著者の到達点であり、残念ながら終着点であろう。戦後という時代に対する憤懣が行間の到るところから吹き出るように強く感じられ、読んでいるのが辛くなる時もあった。しかし著者の真摯で誠実な姿勢は痛いほどよく分かる。三島由紀夫の死をもって「昭和」は終わったのだという認識は、それまで以上にその後の歳月が著者に苦痛の日々であったことを伝えて余りあるものがある。この大作を書き上げることで、著者は出すべきものを出し切ってしまったと思われる。これを書いて以降、保田與重郎の文章を換骨奪胎したような文章ばかり書いているのが気になるが、もう読書人の注目を集めるような傑作は書けないだろう。以て瞑すべし、の感がある。
 それと、改めてやはり著者は年齢とともに「右」にシフトしてきた人だなと感じた。それは保田與重郎と昭和天皇を書く態度が、著者の若い頃とは全く異なっているからだ。今日の保田再評価に著者が果たした役割は小さくない(しかし絶対的に大きいとも言えない。保田本人の思想の永遠性こそ評価されるべきだ)が、若き日の著者はずいぶん保田と距離を置いていた。何よりも、生前の保田とおそらく会っていないのだろう。そのことが、本書にも少なからぬ影を落としていると思えて仕方ない。会わなかったことを、著者は強く後悔しているのではないだろうか。
 著者が絶望し、沈黙したところで、本書を読んだ若い人がその沈黙を破り、今日の閉塞的状況を打破していく…その礎となることをこの大冊に期待したい。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
この本は前作「昭和精神史」の続編です。桶谷氏は前作と同じ手法で戦後の日本の精神を描いていきます。

この本を読めば「戦後民主主義」は戦前を克服したのではなく、否定しているにすぎないということが理解できると思います。戦前を否定するだけでは、戦前は克服できないと思います。やはり、我々は昭和の精神に向き合う必要があるのではないでしょうか。

それに加えて、この本を読めば戦後民主主義の「平和論」と保田與重郎の「絶対平和論」の違いも理解できると思います。この違いを理解することも重要だと思います。
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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 白頭
形式:文庫
十七章あるうちの十章までが占領下の時期を扱っている。
戦後日本の意識や言葉に垣間見える捩れを扱っている点では、江藤淳や福田恒存等多くが
扱ったテーマだが、本書の切り口については、著者自身があとがきでこう記している。
「戦後の趨勢を、そのものとして叙述することは私の意図ではない。精神史といふ私の考
へ方は、通常の歴史が人間の意識に実現された結果に重点を置くとすれば、実現されなか
った内面を、実現された結果と同じ比重において描くといふ方法である。」
なんだかヘーゲル風だが著者が枯れた水脈を探りあてようとする手つきは、結果として非
常に晦渋なものになっている。時代を共有していない私のやうな者にはなおさらかもしれ
ない。単なる言説史やその裏の心情といったものを跡付けるのとは少し違う。昭和初頭か
ら連綿と水脈のように続く精神の系譜。著者はそれが昭和四十五年の三島自決で最後の
光芒をみたという。そして、そこで昭和は終ったのだと。
もう一点、保田與重郎に触れる時に著者の筆致は冴えるように感じる。
戦後は戦争賛美の文学者といふレッテルを張られ、文壇からも世間からも黙殺され続けた
保田。八十年代前半、高校生だった当時、新聞の片隅に小さく掲載された彼の訃報を今も
漠然と覚えている。彼の近親と居合わせる偶然がなければ、その記事はおろか保田の存在
すら知らずにいたかもしれない。同著者の『保田與重郎』も読まれたい。
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