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昭和時代回想 (集英社文庫)
 
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昭和時代回想 (集英社文庫) [文庫]

関川 夏央
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

その昔、この国には「昭和」という時代があった。そして「戦後」という空間も。希代の名文家が過ぎ去った時と場所への郷愁を込めて日本人の半世紀を描く、珠玉のエッセイ集。 (解説・斎藤美奈子)

内容(「BOOK」データベースより)

かつて、この国には「昭和」という時代があった。そして「戦後」や「高度成長」という風景も。敗戦後の発展途上国から自意識に悩む中進国、そして虚栄に踊る先進国へとつき進んだ数十年間。いま日本に生きるわれわれの大多数が生まれ育ってきた、あの長い昭和時代とは果たして何だったのか。希代の名文家が、過ぎ去った忘れ得ぬものたちへのほろ苦い思いを込めて描き出す珠玉のエッセイ集。

登録情報

  • 文庫: 256ページ
  • 出版社: 集英社 (2002/12/13)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087475247
  • ISBN-13: 978-4087475241
  • 発売日: 2002/12/13
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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19 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By るるやま・かおる VINE™ メンバー
形式:文庫
 いろんなところに書き散らかしたエッセイの寄せ集めだが、有能な編集者の仕事らしく、1冊の本としてじつによくまとまっている。戦後という時代を個人史にからめて書き綴ったエッセイ集。関川氏の本はこれまでも何冊か読んでいるが、こんなに達意の文章を書く人という認識はなかった。うまくてかっこいい文章は、読んでいて気持ちがいい。そして、ときどきぐっとくる。
 たとえば、こんなユーモラスな文章。「しかし、現実にはすでにこの時期、父の脆弱な理想主義は、母のたくましい現実主義に日々敗北しつづけていたのである。」
 あるいはこんな文章。「私は、自分が夏の真ん中まで漕ぎ出したボートに似ていると思った。もうこれ以上沖へも行けず、かといって海岸に戻る力も残っていない。」
 荒木経惟についてはこう書く。「希望に満ちたニヒリストは、いわば清浄な下品さの持主である。また誠実な無頼であり、実質ある空虚でもある。」
 こんな時代のなかで言葉は力を失ったのかと思っていた。ただ自分が言葉を見失っていただけだった。本書でたしかに感じた。言葉には力がある。その力を信じたい。こんな時代のなかで。
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
自分自身の個人的記憶を、昭和時代という「大きな森」で括ってまとめた自伝的エッセイ。ある時期から離れた父親を回想するところが切なく美しい。時季はずれの海水浴を振り返るところは哀しくなる。容赦なく偽物を切り捨てる。「怒れる」人である。自分に謙虚で、素直に読める。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 麒麟児 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
関川夏央氏の過去のエッセイを誠に上手に配列した一書。氏の持ち味である韜晦さと潔さとがその文章に独特の陰影と彫りの深さを与えており、読ませる。

「こどもの記憶は映像として脳裡に焼きつけられる。しかし、おとなには映像を意味に還元してしまう習性があるから、記憶の感光が完全にはできない、そしてそれは、あまりにもすばやくすぎるおとなの時間に洗われて褪色し、消えていく」(57頁)。
「いくらささやかなレベルではあっても投機は趣味とはいえない。心は想像力で躍るのではなく、欲で打ち震えるだけである」(89頁)。
「過食と拒食、家庭内暴力、それにオトナのアトピーと花粉症、みなこの頃(=1975年頃)はじまったのである。・・・ 経済とともに人の気持がかわったのである。人の気持とともに社会の温度がかわったのである。それは日本史上初の状況、はじめての実験である」(151頁)。

読者の年代により様々な読み方ができようが、昭和生まれにしか分からないことがこの本には詰まっている。個人的にもノスタルジーを感じた一書であった。
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