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昭和天皇・マッカーサー会見 (岩波現代文庫)
 
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昭和天皇・マッカーサー会見 (岩波現代文庫) [文庫]

豊下 楢彦
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

戦後史の謎であり続けた全一一回の極秘会談。二人が何を話したのか、その核心部分が、著者が解説した膨大な未解明の新資料によって初めて明らかにされた。両者の会談のみならず全米に対する昭和天皇の外交を精緻に描き出した本書は、戦後レジーム形成に天皇が極めて能動的に関与した衝撃の事実を描き出し、従来の昭和天皇像、戦後史観を根底から覆す。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

豊下 楢彦
1945年兵庫県生まれ。京都大学法学部卒業。現在、関西学院大学法学部教授。専攻=国際政治論・外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 248ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2008/7/16)
  • ISBN-10: 4006001932
  • ISBN-13: 978-4006001933
  • 発売日: 2008/7/16
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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31 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By くにたち蟄居日記 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
 昭和天皇が 終戦直後から サンフランシスコ講和条約にかけての時代に どのような ご自身の外交を展開されたかを活写する一冊である。

 終戦時の「天皇」問題は 大きなタブーであり 現在に至るまで公開された資料は少ない様子だ。それでも 年月を経て 段々と公開される資料の一つ一つを著者は丹念に読み解きながら 自身の仮説を打ち立て、更に10年もの年月を経て新しく出てきた資料で それを検証していく著者の作業には大いに感銘を受けた。終戦後の「現代史」を追及することの難しさと 醍醐味の両方を強く感じた。

 本書で描かれる終戦後の昭和天皇は 人間宣言を行い 象徴天皇になったシンボルとしての天皇ではない。日本という国、天皇制という制度をいかにして守りながら、当時の世界のパワーバランスの中で 新しい「居場所」を探しぬいた 一人の外交家と言ってよいと思う。
 特に 当時のマッカーサー自身が陥っていた パワーゲームの中で いわば彼との共犯関係で 日本の戦後体制を作り上げたという著者の指摘は読んでいて 正直目から鱗が落ちる思いだった。

 あらゆる意味で 現代史は重要だが あらゆる意味で タッチーでもある。歴史という分野の持つ難しさと 重要さを再度感じ入った一冊となった。
このレビューは参考になりましたか?
19 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
昭和一桁生まれの世代である小生にとっては、戦後の混乱期における天皇の行動は今まで秘密のベールに包まれており、本書によって明らかにされた事実は衝撃的でした。様々な文献を参照して分析を加えた記述は綿密でその内容には説得力があり、多くの方々にお読み頂く価値があると思います。戦中・戦後の天皇の行動に対してどのような批判・感情を抱くかは各個人の自由ですが、小生にとっては非常によい参考になりました。本書に記述されているような事実が一般のマスコミではあまり報道されていないのは不思議な気がします。もっと広く公開されるべき事実が描写されていると思いました。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
> 昭和天皇が新憲法によって「象徴天皇」になって以降も、
> 安全保障問題といった「高度に政治的な問題」にかかわっていった背景を明らかにした
> 本書は、実質的には20年近くにわたって取り組んできた昭和天皇研究の、筆者なりの "総決算" である

> 軽武装・経済重視という「吉田ドクトリン」を生み出す画期をなし、
>「吉田外交路線の正しさを証明」(永井陽之助)した記念碑的な論文と位置づけられた
> 高坂正堯の論文「宰相吉田茂」(『中央公論』1964年2月号)・・・
> 厳密に検証していくと、この論文には史実に関し少なからぬ重大な誤りが見られる

『週間金曜日』No.749 2009・5・1、5・8合併号より
「私は・・・膨大な資料を読みましたが、一番衝撃を受けたのは、吉田が首席全権を頑として固辞したという点でした。
・・・結局、ワンマンの吉田を唯一押さえ付けることができた天皇に言われた形で出席するのですが、
当時、米国とフィリピン間で結ばれていた条約よりもひどく、日本を植民地扱いする内容でしたから。
その最も具体的な例が、「極東条項」です。
米軍は「極東における国際の平和及び安全の維持に寄与」するというまったく曖昧な目的を口実に、日本の基地を利用できる。
しかも、日本はその全土を米軍に基地提供する義務があるのに、米軍にとって日本の駐留は権利であり、日本の防衛義務もないというのですから。
本来、国連憲章からいえば、武力行使が可能となる条件は相手国からの武力攻撃がある場合です。
ところが「極東条項」によると、「極東の平和と安全」などというどうにでもとれる名目で米軍は動ける。
つまり安保条約とは、核心部分で国連憲章を踏み外しているのです。
だからこそ、吉田が固辞した最大の要素は、全土基地化や基地の自由使用権の問題とともに「極東条項」だったと考えられます」
「『宰相吉田茂』では、吉田がダレスと交渉した際の最大のポイントが再軍備をめぐる問題であったかのように描いていますが、事実は違う。
ダレスが求めたのは米国が占領期と同じように「望むだけの軍隊を望む場所に、望む期間だけ駐留させる権利」であり、
吉田はこれに最初は抵抗した。国会でも本心はどうあれ、「私は軍事基地は貸したくないと考えております」とまで答弁しています(50年7月29日)。
問題は、天皇がダレスの望む米軍無条件駐留を実現するため、GHQ最高司令官のダグラス・マッカーサーや吉田をバイパスしてまで動いた事実なのです。
しかも47年5月の現行憲法施行後、天皇はそれまでの元首から「象徴」となり、政治的行為が禁じられたはずなのに」
「天皇の意思は、「日本が基地を無条件に提供しますから米軍はいてください」という線で安保条約をまとめる ― というものでした。
そして「条件闘争」で対米交渉に臨もうとした吉田も折れ、この線に従わざるを得なくなったとみています」
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