戦前の暗黒裁判と言えば、大杉栄の甘粕事件と思うが、
それよりも、近年に226の裁判が暗黒裁判であることに驚嘆した。
弁護士無し非公開、そして上告無し。それが法治国家なのか?
戦前もこのころになると日本が法治国でない事がよく分かります。
そうして事件の首謀者の真崎山下らの大将クラスには、お咎め無しの
やらせ裁判であった。
それに対する清張の怒りがよく出ています。
他の書評に清張が、天皇支持者の如き嘘コメントを書いていますが、
生前彼は共産党支持者でありました。しかしこの本は彼の主義
におぼれることなく、正確に書いています。315事件ではある点で共産党に、厳しい目が注がれています。一方、同様の大家の
司馬の作品は、新たな資料などの発見で、かなり嘘の記述がおおい。さすがに、清張は資料の選択がいいのか、修正の余地はほとんどありません。
一週間前に、多喜二は銀行解雇であったと報道されましたが、
彼の著書では、小林は拓殖銀行に解雇されたと、30年前のこの
本のシリーズに書いていました。大学教授より優れた歴史家であります。