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昭和史発掘 (4) [新装版] (文春文庫)
 
 

昭和史発掘 (4) [新装版] (文春文庫) [文庫]

松本 清張
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ファシズムへと暴走していく日本の姿を活写する松本清張の歴史的名著。心優しいプロレタリア作家が特高警察によって筆舌に尽くしがたい拷問の末惨殺された「小林多喜二の死」、破局への一大転換点であった「天皇機関説」。言論の自由を圧殺したものへの、深く静かな怒りが滲む。他に「京都大学の墓碑銘」「陸軍士官学校事件」。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

松本 清張
1909(明治42)年12月、福岡県企救郡板櫃村(現・北九州市)に生れる。53(昭和28)年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。56年、それまで勤めていた朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。63年「日本の黒い霧」などの業績により第5回日本ジャーナリスト会議賞受賞。67年第1回吉川英治文学賞受賞。70年第18回菊池寛賞、90年朝日賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 430ページ
  • 出版社: 文藝春秋; 新装版 (2005/6/10)
  • ISBN-10: 4167697033
  • ISBN-13: 978-4167697037
  • 発売日: 2005/6/10
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By okuno40
形式:文庫
軍国主義の大日本帝国の学問に対する圧力がどう行なわれたか。
よくかけています。
滝川事件は弾圧事件でカタズけられていますが実は彼は昭和20年に京都大学に復学しています。
そうして、その条件に、文部省の誤りを認めることでした。
当時の前田多門文相は、謝罪したのです。
ここまで書かれている本は珍しい。国の犯罪を実質的に認め、
同時に戦前右翼の否定と謝罪があったのです。皇国史観でゆがめられた
学問を、国も認めた画期的な事件です。
天皇の名で成されたことは、戦争以外に学問文化さまざまであります。
しかもその圧力に学者文化人がいかに無力かも、十分描かれてました。
彼は推理小説よりも歴史のほうが作品として残ると思います。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 浦辺 登 VINE™ メンバー
形式:文庫
 この一冊には下記の4つの事件について、松本清張の視点で解説が加えられている。
・小林多喜二の死
・京都大学の墓碑銘
・天皇機関説
・陸軍士官学校事件

 近年、不況がマンネリ化し、日本共産党に入党する人が増加した。日本が世界大戦に敗れ、巷には職と食の無い人々があふれている時、共産党勢力は強かったが、その時代とは異なると思うが。
 経済発展後、労働組合は「御用組合」になり、その機能は果たしていない。闘争経験のない組合専従者がいる中、世界的な金融不況から派遣社員が次々と契約を解除されて町に放り出された。そこに、小林多喜二が闘った時代と似通ったものを感じるが、現代には小林多喜二はいない。
 国家を支える官僚育成の国立大学が役割を失い、個人の名声と財貨を得る大学になった。社会に変革をもたらすなど考えようともしない。それは大学だけではなく、企業も国家も国民も考えていない。
 
 この一冊は松本清張が気力を振り絞って書いている。
 とりわけ、「陸軍士官学校事件」を読み解いておかなければ、続く2.26事件には辿りつかない。小林多喜二が憂えた労働者も、士官学校の候補生たちが憂慮した農民も、みんな貧乏だった。
 植民地を支配し財政的に潤っている欧米社会に対し、混沌とした日本が太刀打ちするには難しいなか、均衡を保つためとはいえ、日本が生き残る道は他に無かったのだろうかと悔まれてならない。
このレビューは参考になりましたか?
19 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By emir1969 VINE™ メンバー
形式:文庫
この方面の著作のまさに「スタンダード」本、その後の同傾向本のすべてがここから始まっている文字通りのスタンダードです、とりわけ2・26事件を題材にした本とすれば現在でも多くの類書を押しのけて最初に読むべき作品であろう、

最近の松本清張リバイバル・ブームでめでたく復刊、大きな文字で読みやすくなりました、清張のもう一つの代表作「日本の黒い霧」に比べて、充分以上の資料を駆使しており、文章自体も充実した作品です、(日本の黒い霧は資料不足が第一の原因と思うのだが同じ内容の反復描写が多く、文体も少々荒れた感じがする)

取り上げられている事件の殆どは直接には左翼関係ではないにもかかわらず、大正から昭和前期にかけての「左翼運動」の広がりに当時の政治的人間たちの多くががどれほどの脅威を感じたかが分かります(特に2・26以前の各章の描写において)、ちなみに松本清張は共闘とか連帯などといった左翼的価値観を一切もちあわせていない作家である、同じく昭和の大作家である司馬遼太郎がことあるごとに左翼的体質を露呈していたことと好対照の人物、

現在でも日本人の心の在り様の基本のひとつである「狭隘で僻み・妬みに満ち満ちた価値観」はちょっとしたきっかけさえあれば容易に階級打破・平等社会の実現という社会主義思想に取り込まれてしまう危険があることに本書で描かれた多くの人物達が脅威と恐怖さえ覚えながら行動していたこともわかります、

20世紀最大の負け犬でもある社会主義がその後、政権を取った自国でどれほどの悪逆を行ったかを冷静に観察できる現在から見れば、本書で描かれた彼ら政治的人間たちの政治的感性の鋭敏さのようなものには一種の感嘆を感じざるをえないし、2・26事件を即座に「反乱である、鎮圧せよ」と断を下した昭和天皇の優秀さにも感服できます、そんな英邁な昭和天皇の治世でさえ大戦争に巻きこまれざるを得なかった昭和10年代について是非とも松本清張の筆で描いて欲しかったとも思います、

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