この本は「レイテ沖海戦」や「真珠湾の日」のような1つの出来事を詳細にまとめた本ではありません。
昭和の戦争期に起こった主な出来事などを個々に、端的にまとめた本と言えば良いでしょうか。レビューを書きにくい本ではありますが、半藤さんの本が好きな方や昭和史を勉強している方には読んで損はないと思います。
私はこの本を読んでいて、とても引っ掛かった文章がありました。それは大半の日本国民に当てはまることだと思うので下記に引用させてもらいます。
<本書85頁より抜粋>
−中略−
ことあるごとに歴史を正確に記述し、国家あるいは人間的責任の所在を明確にし、子や孫に重要な遺産として語りついでいこうとする欧米とは、いまの日本の現状とでは天地雲壌の差というほかはない。いま「歴史なき国民」と化した日本人は、結局、歴史について責任を負えない、いや、負おうとしないのである。
−中略−引用終わり
私の両親は所謂団塊の世代と言われる日本の高度経済成長期の生まれですが、戦争の詳しい話を聞いたところでやはり全然知りません。
勉強している方はともかく、知らないということがいかに罪かということを私自身が身を持って感じています。
GHQからの政策の圧力はありましたが、解放後の歴史に関する教育がいかに悪かったかということが今の日本を見ても分かると思います。政治のニュースを見ていても、歴史を知らなさすぎる政治家がいかに多いことか。それは国益を損ねることにも繋がっています。
世代は違っても日本がしてきた戦争に対して同じ価値観や戦争史観を共有していない日本が、これからの国際社会で有利な立場に立てるとはとても思えません。
半藤さんは戦時、終戦、そして経済成長期、平成を生きて来た人です。著書の中には昭和の戦争を知らない人達に伝えることが自分の役目でもあるというようなことを書いていました。
このような本を読んで少しでも日本が辿って来た歴史をまず日本国民が正しく理解する必要があると思うのは私だけでしょうか。