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昭和の名将と愚将 (文春新書 618)
 
 

昭和の名将と愚将 (文春新書 618) [新書]

半藤 一利
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

責任感、リーダーシップ、戦略の有無、知性、人望……昭和の代表的軍人22人を俎上に載せて、敗軍の将たちの人物にあえて評価を下す。

内容(「BOOK」データベースより)

責任感、リーダーシップ、戦略の有無、知性、人望…昭和の代表的軍人二十二人を俎上に載せて、敗軍の将たちの人物にあえて評価を下す。リーダーたるには何が必要なのか。

登録情報

  • 新書: 253ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2008/2/18)
  • ISBN-10: 4166606182
  • ISBN-13: 978-4166606184
  • 発売日: 2008/2/18
  • 商品の寸法: 17 x 11.2 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 正義の味方 トップ500レビュアー
形式:新書
本書は前半「名将編」がオール讀物掲載分、後半「愚将編」は語り下ろしとある。半藤・保阪両氏等々の座談会は文藝春秋に掲載されたが、「あの戦争になぜ負けたのか」や「昭和陸海軍の失敗」(共に文春新書)になっている。「名将編」では栗林忠道、石原莞爾・永田鉄山、米内光政・山口多聞、山下奉文・武藤章、伊藤整一・小沢治三郎、宮崎繁三郎・小野寺信、今村均・山本五十六の陸海軍の軍人について書かれる。私の尊敬する軍人は今村均大将だ。慈・愛・徳・勇を兼備した本当の軍人であり、優れた軍政能力と、敗戦後の行動と、その温厚な性格で、全く別格の存在である。幼年学校出身ではなく、旧制新発田中学、陸軍士官学校(19期)、陸軍大学主席卒業だ。ご本人著の「今村均回顧録」と「続・今村均回顧録」を是非にお薦めする。当時前線に出されていたマレーの山下奉文、フィリピンの本間雅晴、そしてジャワの今村均という将官はいずれも東條英機に嫌われていた。一方で「愚将編」は服部卓四郎・辻政信、牟田口廉也・瀬島龍三、石川信吾・岡敬純、特攻隊責任者として大西瀧次郎・冨永恭次・菅原通大というお馴染みを挙げる。「責任ある立場の最も無責任極まりない」連中だ。筆頭はやはり服部・辻だろう。軍官僚・現場の指揮官両面とも全く失格の軍人だ。ノモンハンでも南進政策でもこのコンビが組むと最悪の状況だ。また大失敗してもまた中央に復帰させる陸軍能天気人事が、兵士・日本軍・国家を不幸にした。その陰には常に東條英機がいる。東條が服部を重用、服部は辻を重用する構図だ。更に辻が目をかけたのが瀬島だ。東條に物言う人は追われ、東條の前では言いなりになる連中が軍部の主役になったから堪らない。皇軍の最も悪いところを具現する人間が辻政信であり、武勲の魔物に取りつかれた亡者が牟田口廉也だ。東條の威を借りての功名心の強さは尋常でない。海軍でとんでもない「不規弾」(あらぬ方向に飛んでしまう弾)が石川信吾だ。南部仏印進駐、対米戦争に突っ込んだ張本人だ。少しタイムスリップ出来れば彼らを直に見てみたい。
このレビューは参考になりましたか?
31 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 麒麟児 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
内容の濃い対談集。個人的には、前半部(名将篇)では、例えば以下の挿話などが目を惹いた。(1)東京裁判の判決後、死刑宣告を受けなかった被告達が入れられた部屋から、嶋田繁太郎のうれしそうな高笑いが聞こえた話(102頁)、(2)敗戦後の小沢治三郎の言葉「開戦の責任は俺にはない。しかし、敗戦の責任は自分にある」(116頁)、(3)大島浩は東條英機と陸大同期で、東條は彼の父親(陸軍大臣大島健一)の副官であった点(142頁)。しかし、本書の圧巻は、何といっても今回新たに語り下ろされた後半部(愚将篇)にある。例えば、(1)シベリア抑留について第三者がまとめた入稿原稿に勝手に手を入れた瀬島龍三の姿(218頁)や(2)正に「文化に対する挑戦」であった神風「特別」攻撃の認可プロセスに皇族も関与していた点(239頁)、等々。幾万もの有為な若人がこれら唾棄すべき愚将たちによって死に追いやられたことを思うと、本当にやるせない思いが尽きなくなる。(また、翻ってみれば、彼らのクローンは、今日の日本社会の各所に数多跋扈しているようにも思える。)
このレビューは参考になりましたか?
40 人中、33人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By omr
形式:新書
名将編には、栗林忠道、山下奉文、小沢治三郎、今村均などおなじみの顔が並びます。

山口多聞。「実際に海軍でこれだけ最後まで勇ましく戦った人も珍しい。」ミッドウェの飛龍で飛行機を見送るとき、必ず私も後に続くからと言って送りだし、船とともに最期を迎える。「やはり他にはない決断力があったという点で一線を画しています」。

伊藤整一。「伊藤の「作戦中止」のおかげで三千人以上が助かった計算になる。」「伊藤が最期のところで見せた人間性でしょうね。」有名な大和特攻の指揮官。途中で作戦中止命令。

一方、愚将編には、例えば瀬島龍三など「公がなく、私の人だと思う」とにべもありません。特攻については、大西中将を引き合いに本当の責任はどこにあったのか、という疑問を呈しています、(大西中将の発案ではないことを示唆)。また、特攻を命じた富永中将や菅原中将(この人は戦後も養鶏業をやって生き延びた)は、命令しながら責任をとらなかった、「自分が責任をとれないことは命令しちゃいかん。」と批判しつつ、やはりその背景にあった大きな力の存在の可能性に言及しています。(しかし、がしかし、抗命罪覚悟で拒否した美濃部少佐のような人もいたわけですから、彼らの責任が逃れられるわけではないと思います。)

特攻のパートで印象的な発言は、「特攻とは文化に対する挑戦」であり、「十死ゼロ生の作戦を遂行したこと」、「責任のとれないことを命じたこと」。このことを、感情を抑えてあらためて問いかけて総括しないと日本は軍隊なんか作ってはいけないし、特攻で死んだ人たちに申し開きもできないではないか、という指摘には頷けるものがあります。確かにこの問題は涙が大事なことを曇らせているような気がします。
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