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春画のからくり (ちくま文庫)
 
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春画のからくり (ちくま文庫) [文庫]

田中 優子
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

春画では、女性の裸体だけが描かれることはなく、男女の絡みが描かれる。男性のための女性ヌードではなく、男女が共にそそられ、時に笑いながら楽しむものだったと考えられる。また、性交場面を際立たせるために、顔と性器以外は、衣装で隠された。「隠す・見せる」「覗き」等の視点から、江戸のエロティシズムの仕掛けが明らかになる。図版豊富。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

田中 優子
1952年神奈川県横浜市生まれ。1980年法政大学大学院博士課程(日本文学専攻)修了。法政大学社会学部教授(近世文学)。著書に、『江戸の想像力』(ちくま学芸文庫、芸術選奨文部大臣新人賞受賞)、『江戸百夢―近世図像学の楽しみ』(朝日新聞社、芸術選奨文部科学大臣賞、サントリー学芸賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 251ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2009/4/8)
  • ISBN-10: 4480425896
  • ISBN-13: 978-4480425898
  • 発売日: 2009/4/8
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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23 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ringmoo トップ500レビュアー
形式:文庫
日本における春画(鈴木春信から歌川歌麿が中心)が、西洋や現代のポルノグラフィと一線を画している要因を「隠す」「覗く」「テクスタイル」と言う三つの視点から解き明かしています。

そもそも春画とは「笑い絵」とも言われ、「笑い」の対象として見るものだと言います。
その典型的な例が「覗き」で、そもそも「覗き」をする人物を揶揄しています。日本の家屋の構造からして、セックスは見られることを前提としてしか成り立たず、「覗き」をするのは下司な行為と見られていたようです。

更に、日本の春画は物語性が強く、背景をしっかりと描いています。そのために、「テクスタイル」の繊細で優雅な描写があり、それは着ている人物の表現にもなっています。

同時に、そうした「テクスタイル」は、「隠す」と言うことでも大きな役割を果たしています。「隠す」ことによって、一点を「顕す」効果を果たしているとしています。

こうしたすべてのことを総合すると、男だけが見るものではなく、誰でもが見る「芸術」の域に達した絵画の一ジャンルと言うことが出来るのかも知れません。

この本を読むと、たかが「春画」とバカにしてはいけない、日本の優れた文化の一つなのだと言うことが解ってきます。
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
本書は、現代のエロ本の原点として取り上げられることもある春画を多数分析して「まじめに」解説している。春画は「着物を着た男女二人が重なり合って…」という構図が何となく頭に浮かんでくるが、それだけでは片付けられない何と種類が豊富で計算された世界であることか。またどれも絵は似通って見えるが、作者ごとに個性が異なることにとても感心した。

男女の交わりがメインであるのにその背景が緻密すぎること、蚊帳や障子で二人を「隠す」ようにしながら逆に焦点をしぼらせて「見せて」いること、絵に言葉や会話を書き入れ笑いを伴う物語に発展したことなど丁寧に解説が続いていく。現在の読者もうなりながらも「変態!!」と思わず失笑すること請け負いだ。「覗き」に関しては、もちろん日本の家屋の特徴としてみるにプライバシーなんてあるはずもなかったことを考慮に入れる必要があるが「性」に対する想像性は時代を問わないと感じられた。そして最後に春画の大衆化によって芸術性が下がったとの指摘は残念な気持ちさえ浮かぶ。

春画はヨーロッパなどでとても評価が高く、大英博物館で展示会を開催する予定であると新聞に載っていたがそれも納得。これからますます日本の文化として世界に紹介され価値を高めるだろう。それはなんら恥ずべきことではなく誇らしいことである。
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1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
江戸時代のことなら田中優子に聞けと、いつも吹聴していますが、これは、たとえばキリスト教・聖書のことなら田川建三に、国家論のことなら滝村隆一に、右翼思想とりわけ北一輝のことなら松本健一に、美人のことなら井上章一に、マンホールのふたのことなら林丈二に、SMのことなら団鬼六に、などと似たような、あることに関して様々な見解を知るよりも、他の誰よりも信頼のおける一人の当代随一の研究者の目を通した偏った見方で認識し通してみたいと願望する、私の偏向した趣向にすぎませんが、これが案外なかなか面白くてやめられません。

つまり、彼や彼女の全著作を読むことによって、その視点を我がものとして反対意見や全体もみえてくるというものです。

それはさておき、そうです、今回はまさか(?)の春画ですが、要は浮世絵師の巨匠たち、私は浮世絵そのものをあの元アレン短期大学浮世絵専任講師=小説家の高橋克彦から薫陶を受けた者ですが(ただ著作を読んだだけ!)、喜多川歌麿や菱川師宣や葛飾北斎も皆、たとえば『富獄三十六景』の名声だけではとても食べてはいけず、生活のため春画を描いていて、しかもそれは1枚や2枚でなくシリーズものや画集となっているほど量的にも多いといいます。

そして、あの時代の紊乱たる性風俗のこと、きっとエログロナンセンスきわまりないえげつないものばかりだと想像していましたが、そうではなかったので拍子抜けしてしまいました。

まず、春画は、現代のように女性だけが裸で描かれることはなく、男女の絡みが描かれること。

それは、男性のための女性ヌードではなく、男女が一緒にそそられ、時には笑いながら楽しむものだった。

なんと江戸時代は、今よりもっと男女ともが大らかに性を謳歌していた時代だったとは。

そして、性交場面を際立たせるために顔と性器以外は衣装で隠したこと。

なるほど、見る絵・見る絵がすべて顔のクローズアップと女性性器と男性性器ばかり。ここらあたりは、性指南書としての役割もあったことをうなずけるものがあります。

ともかく、しのごの私が言ってもどうにもなりません。隠す・見せる・覗きのテクニックから江戸時代のエロティシズムの全貌を開陳してみせてくれる優子センセの講義を、あなたも聞いてみてはいかがですか。

この感想へのコメント
1.mackinchan (2010/02/19)
 買いたくても買えない本があって、同じ田中優子のとんぼの本だったかの春画の本も買えませんでした。売り場が嫌なのと、家族にどうするか、ということと、読んだ後どうする、というのが大問題だったのです。純情だったら買える物を、スケベ心がスケベ心を抑圧するのでした。

2.薔薇★魑魅魍魎 (2010/02/21)
何を弱気な、頑張れスケベ心!
堂々と胸を張って、春画や篠山紀信は芸術だと言い放って納得させてみせて下さい。方法としては、れっきとした美人画の横に枕絵を、仏像の土門拳の横にヘアヌードの篠山紀信を配置するしかないですね。おずおずと恥ずかしがるやましい素振りは、かえって内心を見抜かれるので禁物です。
もっとも、コソコソ密かにということに意味があり醍醐味があるともいいますが、ご苦労お察し致します。

記述日 : 2010年2月19日 07:26:32
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