本書を読んだ感想として角川春樹という人はただただ『逞しい人』の一言に尽きる。
過去に
田中角栄から、
梶原一騎、
横山やすし、
勝新太郎といった時代に抜きんでたもの、度外視した傑物や怪物を圧殺し、社会のあらゆる層から淘汰し、墓場の下へ送り込まれたなかで角川春樹は『
男たちの大和 / YAMATO』を引っ提げて、見事に復活を果たした奇跡の生還者であった。
有罪判決に最後まで争い、最高裁で実刑判決を受けた上に重度の胃潰瘍が発覚し、それにも屈せず、逮捕から十年の歳月(同時期に同じ薬物系で逮捕された
江夏豊氏は逮捕から裁判〜服役〜出所まで2年であることに比べ)を費やしてもそのことに後悔せず、常に自分の置かれた状況をわきまえて次に行動に移すこの人の実行力は正直凄いと思う。
事実、保釈中に会社を起こし、女性誌『Popteen』を創刊させ、瞬く間に売上NO.1にし、自分が出所した時にいつでも動けるように服役中も常に会社や出版界の動向を逐一把握したり、どの状況に置かれていても時間を全く無駄にして生きてないなということが本書を読んでよくわかった。
その上、過去の栄光にとらわれず、常に(還暦を過ぎていても)未来に目を向け、例えこれから先、躓いても躓いてもその都度立ち上がって突き進んで行くんだろうな。
正直、角川春樹という人は見た目に見える欠点の多い人ではあるが、こういう逞しさはある意味、見習わなければいけないと思うな…。