空気公団久々のフルアルバム「春愁秋思」。
今回は春をモチーフにしたアルバムになっている。真っ白って形容詞が似合う素朴なメロディに
無添加なアレンジ、ジャンクフードみたいに賑やかで旨みのある音楽もいいけど
こういう部屋で一人でそっと聴くような
或いは旅の最中に浸りながら聴けるような、透明度の高い音楽も必要だと思う。
その意味ではとても貴重なバンドだし
最初の数曲はポスト・ロックとしても聴けるようなテイストでそれもまた気持ち良い。
途中から沁み入るような、内面世界を描いたって印象の深い楽曲が続くが
最後の方には素直なポップスに回帰していく。
それでまた一曲目に戻るのが楽しかったり。聴き終えた後はちょっと元気になっている。一冊の本を読んだ後みたい。
春、といっても嬉しい気持ちや楽しい気持ちってよりも
どこかセンチメンタルで、寂しげで、物憂げな春。それは何度か経験したけど
その時の気持ちが蘇ってきたりもする。
敢えてそこを表現していると思う。
それが見事なんだけど、一方で「なんとなく今日の為に」みたいな曲で終わるのも面白くて。
そういう気持ちになることもあると思うから。
という意味で音と歌は勿論詞に関しても色々と感じるところがありました。
他にも「だんだん」なんかの詞も出色だと思います。
それにしても「春が来ました」のささやかな躍動感がツボです。桜の季節に是非聴いてみたい。良作。