おそらく、このレビューに何かを書き込もうとして、でも書き込めなかった人も少なくなかったと思います。私自身が、今、『春を抱いていた』の14巻を読んで、作者の気持ち/心境を考え、何をどう表現したらいいのか、正直分からないからです。
でも、何か一言でも書き込みたいと思ったのは、この作品が、作者の考えているより、ずっと多くの人の心に届いたであろうと、確信し、そしてこれからも、作品が読まれ続ける限り、届くであろうと・・・
私自身は、偶然出会った新田祐克先生の作品で、1から13巻を完全にすっ飛ばして、このようにレビューを書くのも大変に烏滸がましいのですが、この作品は、『ボーイズラブ』という枠を超えていると思いました。この10年間、香藤さんと岩城さんの関係を心から見守って来た人達にとっては、この作品に感じる想いは一層強く、もしかしたら作者自身と比例する程の想いを抱く読者も少なくないのではないかと思いました。(作品の中の登場人物を、ここまで「見守る」という感覚にさせるのは、凄いことだと思います)
しかし、何がともあれ、(困難を乗り越えて行こうとする)作者の想いを、ここまで読者にストレートに、そして純粋に届く作品を生み出せる漫画家は、そう数は多くないと思います。色々な意味で、名作であり、素晴らしい作品だと思います。しつこいようですが、本当に、素晴らしい作品だと思います。
これからも、『春を抱いていた』が世代、ジャンルを超えて、多くの人の元に届けられ続けられることを願っています。