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春を恨んだりはしない - 震災をめぐって考えたこと
 
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春を恨んだりはしない - 震災をめぐって考えたこと [単行本]

池澤 夏樹 , 鷲尾 和彦
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

彼方の光に向かい歩を進めるには。詩人の耳、物理の徒の知見、旅する作家の機動力で、震災の全体像と日本の未来を多角的に見る。

内容(「BOOK」データベースより)

被災地の肉声、生き残った者の責務、国土、政治、エネルギーの未来図。旅する作家の機動力、物理の徒の知見、持てる力の全てを注ぎ込み、震災の現実を多面的にとらえる類書のない一冊。

登録情報

  • 単行本: 123ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2011/9/8)
  • ISBN-10: 4120042618
  • ISBN-13: 978-4120042614
  • 発売日: 2011/9/8
  • 商品の寸法: 19.9 x 14 x 1.9 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 東日本大震災をめぐる思索, 2011/9/24
レビュー対象商品: 春を恨んだりはしない - 震災をめぐって考えたこと (単行本)
 東日本大震災から半年経った。災害直後のショッキングな映像とそれ以降の復興キャンペーンの報道洪水のなかで、感情ばかり消費されているような疲労感が今の私にある。一種の虚脱感と思考停止状態から、本書は正気を取り戻させてくれる。あの災害の意味をじっくり考える視点を提供してくれる。
 著者の語り口は激情を抑えてあくまで静かに自分と対話するように進行していく。本書を読みながら、私は柳田国男の「清光館哀史」を思い出した。柳田国男は東北の旅の一夜を寒漁村の小さな旅館に泊まる。十数年後再び訪れたとき、旅館は消えて更地になっていた。村人に尋ねると、幾年か前に火災に遭ったという。柳田はこのとき人の世の本質を了解し満腔の感慨を抱く。言葉にすれば、「無常観」とも「もののあわれ」ともなるだろう。
 今回の震災ではいくつもの町が町ごと消滅し、2万人もの命が奪われた。それはまだ生々しく現在形のままでとうてい整理のつくものではない。しかし、古来、日本列島は災害の多い土地である。規模の大小はあれ無数の災害を繰り返して我々の中には「無常」の世界観が息づいている。そこには鎮魂も希望も含まれているはずだ。
 鷲尾和彦氏のモノクロの写真が素晴らしい。津波に遭った廃墟の土地とそこですでに始まっている命の営みが、千年単位の時間のなかに切り取られる。
 福島第一原発事故に対する著者の態度は明確である。脱原発というよりも反原発である。物理学徒としての知識がそれを裏づける。我々はパンドラの箱を開けてしまった。だが、それは甘受すべき無常ではない。我々の意思によって避けえた災害である。事故が起きる前からの著者の一貫した主張は強い説得力を持つ。
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25 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 行動する作家の静かな訴え, 2011/10/24
By 
hiroshi (千葉県浦安市) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 春を恨んだりはしない - 震災をめぐって考えたこと (単行本)
現代日本文学のフロントランナーである著者のエッセイ集である。
作家が被災地を歩き、支援活動をして見聞きしたこと、考えたことを記している。想像力を駆使しながらも詠嘆に浸ることなく明晰な文章で被災地の人々を描く。死者にも生き残った人々にも寄り添う、深い思いのこもった文章が綴られる。怒りの声を上げることなく、いたわり合いながら従順に生きる人たち。この国は太古の昔から様々な自然災害にさらされてきたために無常感を受け入れる民族が生まれたのだろうと彼は書く。そして、被災地から転じた彼の視線は原子力利用への批判と政治への期待へと向かうのだ。
私は本書を読みながらサルトルの言葉「飢える子供たちの前に文学は無力である」を思い出した。サルトルは、文学は悲惨な人たちを救うことはできないが、文学が社会に影響を与え人々を救うことに繋がる可能性に期待をかけた。池澤氏はこのエッセイ集を公にすることで私たちに行動を起こすことを求めているのだろう。彼の意図通り、私はこのエッセイ集に刺激され、被災した人々のために行動しようと動き出した。この週末に福島へ行き、何箇所か回る予定だ。本書はサルトルの望んだ文学の役割を果たしつつある作品と言えよう。
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11 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 朝日のコラムを期待したが, 2011/12/21
レビュー対象商品: 春を恨んだりはしない - 震災をめぐって考えたこと (単行本)
著者の朝日新聞のコラムが好きなのですが、本書はちょっと期待外れでした。
単行本ですから、全編にコラムのような切れ味鋭さを期待するのが間違いなのでしょう。
本書はどうも日記帳っぽく情緒的に感じられ、個人的には苦手ですね。
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