「春が嫌いになった理由」という、一見するとミステリー小説とは違う分野のものと思ってしまうタイトルに惹かれ読んでみた。
この小説は、主に「自称・語学堪能同時通訳者志望のフリーター・秋川瑞希、密入国で日本にやってきた青年、リビングで「解決!超能力捜査班」を見ている男の3つの視点で描かれている。
この一見すると全く関係ないような「点」がどうつながって「線」になっていくかが見どころだと思うのだが、個人的にいえばその手の作品の中では本作はイマイチだったのではないかと思う。
確かに最後はつながったし、「なるほど」と思わされもした。
だが、つなげるのが遅すぎたと思う。
早々につなげてしまうのもどうかとは思うのだけれど、もう少し関連性を匂わせながら話を進めてほしかった。
あとこれは本作だけに限らないことだとは思うのだが、中国人の名前を出すなら最初だけでなくずっとルビをふってほしい。
途中で「あれ?この人は何て読んだっけ?」と思うことが何度もあった。
著者の作品を多く読んでいる人なら読むべき作品だと思う。
まだ読んだことがないという人には違う作品を勧める。