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春の草 (日経ビジネス人文庫)
 
 

春の草 (日経ビジネス人文庫) [単行本(ソフトカバー)]

岡 潔
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

世界的大数学者にして、「日本人は何を学ぶべきか」を世に問い続けた名随筆家・岡潔が遺した「私の履歴書」。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

岡 潔
世界的大数学者。1901年、大阪市生まれ。25年、京都帝国大学理学部数学科を卒業と同時に、京都帝大講師に就任。29年、フランスに留学、生涯の研究テーマとなる「多変数解析函数論」に出会う。後年、その分野において世界中の数学者が解けなかった「三大問題」を、たった一人ですべて解決した。京都帝国大学のほか、広島文理科大学、北海道大学、奈良女子大学、京都産業大学で教鞭を執る。60年、文化勲章受章。63年に毎日出版文化賞を受賞した『春宵十話』をはじめ、多くの随筆を著した。78年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 203ページ
  • 出版社: 日本経済新聞出版社 (2010/7/2)
  • ISBN-10: 4532195497
  • ISBN-13: 978-4532195496
  • 発売日: 2010/7/2
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.2 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By koreyas トップ500レビュアー
形式:単行本(ソフトカバー)
終戦後しばらくたったころで、私は奈良女子大に
勤めていたのだが、国内の有様を見ると敗戦の
心のいたでは実に深く、ここから立ち直るには
二、三代はかかるだろうと思われた。にもかかわらず、
教育はアメリカからデューイーの教育学なんかを
そのまま取り入れて、人の子の教育とは思えないものを
やっている。とりわけ自我を真の自己だと
思い違いしてしまっている(「まえがき」p.4)。

これぞ、岡先生です。

数学者の枠におさまらない、哲学者 岡潔の面目躍如の一節だと思います。
このレビューは参考になりましたか?
創造の源泉 2012/2/16
形式:単行本(ソフトカバー)
本書は岡潔先生が、自らの基盤を形作ったという
幼年期から青年期を回想して著したものである。
したがって後年の壮絶な数学研究の様子は
本書からは窺い知ることはできない。その一生を
大河の流れにたとえるなら、山間に湧き出た清水が
谷間のせせらぎとなり、やがて春の野に出て小川と
なるまでの、何とものどかな風景が描かれている。
小学校では少年雑誌の読み物に熱狂したことが
情緒を形作り、一浪して入った旧制中学では
歴史や古典の丸暗記により集中力を養った。
病中に読んだ父親の蔵書からクリフォードの定理を
知って数学の神秘に感激したのもこの時代である。
そして旧制高校から大学では、野球の応援や
文学に熱中する多感な青春時代を送りながらも、
次第に数学の虜となっていく様子が描かれている。
後年の岡先生の研究業績は、同じ分野の世界的
権威であるアンリ・カルタンをして超人的と言わしめた
そうだが、その幼少期はガウスやガロアのような
数学の神童とは趣きが異なり、一言で表せば
「悠然」という言葉がふさわしい。

本書を一読して感ずるのは、その記述の実に鮮やかなことで
あり、岡少年の心に、聞いた言葉、読んだ文章、目に映じた
景色の一つ一つが深く刻み込まれていたことが分かる。
数学に限らず、何か一事に傑出した人物は、幼少期に得た
深い感動の体験がその原動力となっていることが多い。
しかしそれには悠然とした生活が必要ではないか。
岡先生は小学校時代、月に一度本屋に届く「日本少年」という
雑誌に熱狂したが、それしか他に読む物がなかったことが
読みたいという意欲に火をつけて良かったのだ、と述べている。
現代の子供のように、幼稚園からお受験に振り回され、
小学校では英語にIT教育、家に帰れば電子ゲームといった
忙しい生活では、一つのことに熱狂的な意欲を持って
集中し、玩味することなど到底できないように思われる。
それでは与えられた課題を器用にこなす人間はできても、
真に新しいものを創造する人間は出てこない。
現代の教育に対する岡先生の深い憂慮の念は本書でも
述べられているが、「春宵十話」においてさらに掘り下げて
論じられているので、そちらも合わせて読むことをおすすめする。
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