役柄のイメージが固定するのを嫌うように様々な形態の映画に挑戦し、その度ごとに異なる顔を見せる女優ペ・ドゥナ。 笑顔を封印したシリアスものやアクション作品も良いのですが、持ち味である豊かな表情や繊細な感情表現が生きるのは、やはり本作のようなロマンティック・コメディーでしょう。
筋書は、所謂 『まだ見ぬ憧れの人より、身近で長い間見守っていてくれた人』 という恋愛物語の定番をペ・ドゥナ流に魅せてくれます。普通の役者さんだったら、??チョットやり過ぎ! の劇中劇や動物のかぶり物も彼女なら許せてしまいます。不思議な魅力を持った稀有な女優さんです。
図書館の美術書に書かれたメッセージを、なぜ自分宛と簡単に思い込んでしまうのか疑問ですし、幼馴染に対する気持ちも二転三転して、本当はどうなのよ?と言いたくなってしまいます。
そして何より、図書館の本何冊にも直に書き込みするという行為が、最初からどうしても引っ掛かって.....(図書館員の台詞で「公共の物に落書きは、けしからん」と、語ってはいますが。) もうひとつの心に沁みるラブ・ストーリーの登場人物には相応しくない行動だと思うので個人的には評価は辛めですが、作品自体は出演者達の好演もあって十分楽しめるものになっています。